比叡山延暦寺(ひえいざん えんりゃくじ)の修行の中で一番難しいとされるのが、相応和尚(そうおう かしょう)が始めた「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」です。
それに因んで彼の生まれ故郷である、滋賀県長浜市田根地区(ながはまし たねちく)では、毎年「一日回峰行(いちにちかいほうぎょう)」という催し物が行われています。
ただその催し物には、お茶会や講演会などもあるので、参加すると一日掛かりになります。
その次の日(2019.05.19)に、ひとりで気ままに一日回峰行してきました。

まずは五先賢の館へ
五先賢の館とは、長浜市田根地区(ながはまし たねちく)で生まれて、大きな業績を残したむかしの人を、広く世間に知らせるための施設です。
施設のすぐ横には、観光バスも停められる広い駐車場があるので、そこに自動車を停めました。

入山届の意味も込めて、もしもの時のために五先賢の館の受付に行ったのですが、開館直後にもかかわらず誰もいなかったので、そのまま出発してしまいました。
一日回峰行のチラシの裏の地図を参考に

前回、五先賢の館を訪れたときに、「一日回峰行」を案内するチラシをもらいました。
その裏を見ると「一日回峰行」のルートマップがあったので、それを参考にします。
まずは小谷山の登山口へ向かうため、集落の中を歩いていきます。
集落の中の狭い道は、公道なのか私道なのかよく判らなかったので、大きめの道を歩いていたら、すこし遠回りしてしまいました。
「立志坂」の入り口が、獣害防止柵の向こうに見えます。
ルートマップに記された道からは外れたようですが、結局「立志坂」までたどり着けました。
急な立志坂と克己坂を登って
さて「一日回峰行」は最初から、斜面が急な「立志坂」で始まります。
ただまだ登り始めたばかりなので、体も疲れておらず楽しんで登れました。
「立志坂」を登っていくと、道は「こじき坂」と「克己坂」の二手に分かれます。
「こじき坂」へ進むとふもとの池奥町に下りてしまうので、「克己坂」を登っていきます。
「克己坂」を登り切ると、しばらくは緩やかな上り坂が続きます。
この山道は、木の枝や幹に括り付けてあるピンク色の PP荷造りひもが、目印のようでした。
花は咲いていませんが万華坂

標柱が立っているので、いよいよここから「万華坂(まんげさか)」が始まるようです。
ところがあたりを見回しても、花が一つも見当たりません。
しばらく歩いていると、傾斜が次第にきつくなってきたので、ここは難所なのでしょう。
腰を深く曲げなければ登れない坂なので、「曲げ坂」なのかも知れません。

そういえば丸太の階段を登っていると、遠くの茂みから何度もガサガサと音がしました。
クマかと思って見ていると、茂みの中から出てきたのは野生のタヌキです。
驚いて大声を出したら、タヌキはしばらく固まったあと、猛ダッシュで逃げていきました。
本宮の岩屋までのバイパス

さらに「万華坂」を登っていくと、「『本宮の岩屋』までのバイパス」を案内する手書きの標識が、木の幹に取り付けられています。
標識の矢印が下を向いているので、最初は斜面を滑り降りていくのかと思いました。
あたりをいろいろ見て回っていると標識の先に、けもの道程度の細い道が薄っすらと見えます。
その道を注意しながら歩いていくと、「本宮の岩屋」の入り口の下に着きました。
つぎは本宮の岩屋まで歩いていきます。
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