国道365号線で滋賀県長浜市(ながはまし)のあねがわ温泉のあたりを走っていると、案内標識に「五先賢の館」と「近江孤篷庵」の文字があります。
前回は道に迷ってしまい「近江孤篷庵」だけだったので、今回は「五先賢の館」と「近江孤篷庵」の両方を訪れてきました。
まずは「五先賢の館」を訪れて、五先賢についての紹介ビデオを見せてもらったところです。
五先賢とは、長浜市田根地区(たねちく)で生まれて、素晴らしい実績を残した 5人の先人。
小野湖山とその他の先賢たちに
ボクが「五先賢の館」を訪れた当日はたまたま、五先賢の一人である漢詩人の小野湖山(おの こざん)の寄贈品展が催されていました。
ただ小野湖山は五先賢の中では一番若いので、後回しで見ることにします。
奥には常設展示室(2)があって五先賢の他の方たちの展示がしてありましたので、そちらを見に行きました。
相応和尚という比叡山の高僧

相応和尚(そうおう かしょう)は、平安時代初期に現在の長浜市北野町で生まれました。
和尚の読み方は宗派で変わり、天台宗や華厳宗では「かしょう」とも読みます。
天台宗のお寺である比叡山延暦寺(ひえいざん えんりゃくじ)の高僧で、それまで誰もしていなかった千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)を最初に始めた人です。

学問の神様としても有名な菅原道真(すがわらのみちざね)とも親交があり、菅原道真が九州の大宰府へ左遷されるときには、形見の二品を受け取ったそうです。
千日回峰行は死を覚悟して

千日回峰行(せんにち かいほうぎょう)とは、宗教界でも成し遂げるのが最も難しいとされる、天台宗山門派の荒行です。
7年にわたり通算1000日もの間、比叡山の峰や谷に点在するお堂や神社、霊跡を巡礼します。
- 最初の 3年間 …… 1日あたり 30キロ、年間 100日歩く。(通算 300日)
- つぎの 2年間 …… 1日あたり 30キロ、年間 200日歩く。(通算 700日)
- 堂入り …………… 9日間の断食断水(飲食せず)、不眠不臥(眠らず横にならず)。
- つぎの 1年間 …… 1日あたり 60キロ、年間 100日歩く。(通算 800日、赤山苦行)
- 最後の 1年間 …… 1日あたり 84キロ、 100日歩く。(通算 900日、京都大廻)
- + 1日あたり 30キロ、 100日歩く。(通算 1000日)
途中で千日回峰行を辞めることは死を意味し、腰に提げた死出紐と降魔の剣で自害しなければならないそうです。
一日回峰行という体験コース
さて千日回峰行という荒行は、誰もが安易に始められるものではありません。
しかしそれを体験したい人のために、一日回峰行という体験コースが開催されています。

比叡山延暦寺では予約が必要ですが、一日回峰行の参加者を有料で随時受け付けています。
深夜から午前中にかけての礼拝行なので、申し込むには体力や精神力が必要でしょうね。

ちなみに「五先賢の館」でも毎年、小谷山の東側を巡る一日回峰行が行われています。
もうすぐ(2019年05月18日)開催されるので、参加してみると楽しいかも知れません。
さらに「五先賢の館」の中を見て回ります。
コメント