ロシアの新興企業が、夜空に広告を映し出そうと計画しているそうです。
もし月のすぐ横に広告が出ていたら、せっかくのお月見の雰囲気も壊れてしまいます。
また、月食や惑星食などの天体ショーも観測しづらくなることでしょう。

自分の土地に広告看板を建てるのとは違って、誰のものでもない夜空に広告を出すのですから、たとえ天体ファンでなくても反対する声が聞こえてきそうです。
夜空にまで広告が出される
今まで広告は、ありとあらゆるところに出されてきました。
建物の壁や道路の脇、電信柱はもちろんのこと、新聞や雑誌にも出されます。

テレビやラジオには、番組の途中で当たり前のように CM が流れ、Webサイトも然りです。
かく言うボクも、ブログに広告を乗せていますので、否定はしません。

そんな身近な広告ですが、ロシアの新興企業が夜空に広告を出そうと計画しています。
人工衛星に備え付けの巨大な帆に特殊フィルムを張って、広告を映し出すのだそうです。
地上から見えなくてはならないので、かなり巨大な帆になりそうです。
夜空は一体誰のもの?
では夜空は一体誰のものなのでしょうか、法律では次のように規定されています。
土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。
(民法207条)
この条文の意味するところは、他の法律や政令などで制限されていなければ、土地の上にも下にもどこまででも、建物を建てても良いということだと思われます。

つまり、いくら自分の土地の上空にあったとしても、成層圏は所有権を主張できないのです。
ということで、夜空は誰かのものではなく、みんなのものではないでしょうか。
どこかの少数の人たちの思惑で、好きにして良いものではないと思います。
広告によって天体観測が制限される

もし夜空に広告が映し出されれば、天体観測が満足に出来なくなる日が来るかも知れません。
最初のうちは広告の数が少なく物珍しいので、夜空を見上げる人も多いことでしょう。
すぐに真似する広告代理店が出てきて、人工衛星を打ち上げるに違いありません。

すると夜空は、広告で埋め尽くされることになるでしょう。
ただそうなってしまうと、広告ばかりの夜空を見上げる人なんていなくなります。
物珍しさも薄れ、費用対効果で徐々に廃(すた)れてしまうでしょうね。
過去にも似たものがありました

最近はほとんど見かけませんが、過去にも誰のものでもない空を使った広告がありました。
それは飛行船を使った広告です。
ただ飛行船が飛行するとき、上空の高いところだと文字が見えませんし、低いところでは高層ビルや鉄塔、電線に引っかかって危険です。

そもそも最近は、家の外に出て作業をしている人は、少なくなってきたように思われます。
見てくれる人が少ない広告に意味はありません。
あとがき
夜空に広告を映し出す計画は、2021年の実現を目指しているそうです。
しかし、そんな不粋なものはやめて欲しいです。

もしお月様の横に、企業のロゴマークが映し出されていたら、それは単なる迷惑行為です。
その企業のモラルを疑いますし、そこの製品は買いたくなくなります。
所有権など持っていないはずなのに、勝手に月の土地を売る業者がいますよね。
それにすこし似ている気がしました。
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