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【滋賀】湖南市菩提寺の菩提寺山へ多目的広場から その3 (摩崖五輪塔と廃少菩提寺遺跡篇)

名所史跡めぐり
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滋賀県湖南市菩提寺(こなんし ぼだいじ)には、菩提寺山(ぼだいじさん)があります。
航空写真で真上から見たときに、三上山(近江富士)に似ているので、以前から気になっていました。

ということで、菩堤寺山に登ってきました。
巨岩のあいだを縫うように登っていったのですが、アスレチックのようで面白かったです。

菩提寺山周辺地図
菩提寺山周辺地図

菩提寺山を越えて、龍王社へお参りし、鼻白岩を通って、寺屋敷古墳まで下ってきました。

摩崖五輪塔に寄り道して

さて寺屋敷古墳からさらに下っていくると、摩崖五輪塔への案内板がありました。
もうすこしでふもとの集落ですが、寄り道していくことにします。

歴史の小径と名付けられた山道を登っていくと、斜面にいくつもの石仏五輪塔が並べられていました。
かつて阿弥陀仏信仰が盛んだったころのもので、埋もれていたものを集めたそうです。

摩崖五輪塔
摩崖五輪塔

一番奥には、むかしのお墓と考えられている摩崖五輪塔がありました。
菩提寺地域は古くから火葬の風習があったので、近くには火葬場共同墓地もあります。

廃少菩提寺の閻魔像

摩崖五輪塔から来た道を戻って、ふもとへ下っていくと、石段の上に磨崖仏が見えました。
ひとつの大岩に、いくつかの仏像が彫られているようです。

廃少菩提寺閻魔像
廃少菩提寺閻魔像

石段を上がって近くに寄ってみると、五角形の一枚岩に 5体の像が彫られていました。
真ん中の一番大きな像は、帽子の形から閻魔大王(えんま だいおう)であることが判ります。

閻魔大王

大むかしこのあたりに存在した、少菩提寺に関連する石仏のようです。
年月を経て風化し、残念ながら大きなひびが入ってしまっています。

3体の地蔵尊像と石造り多宝塔

廃少菩提寺三体地蔵尊像
廃少菩提寺三体地蔵尊像

閻魔像からさらに下ってくると、菩提寺山の登り口に三体の地蔵尊像が並べられていました。
笠石を載せられた中尊は鎌倉初期、二体の両尊はのちの南北朝時代に作られたそうです。

三体地蔵尊のすぐ近くには、石造りの多宝塔もありました。
銘文が刻まれているため、石造美術史を研究する上でたいへん貴重なものなのだそうです。

湖南三山のひとつである阿星山長寿寺にも、石造り多宝塔があります。
日本最大級です。

あとがき

昔むかしそのむかし、金勝山菩提寺円満山菩提寺が南北に三里隔てて建っていました。
どちらも良弁僧正が開いたので、金勝山を「大菩提寺」、円満山を「小菩提寺」と呼んでいたそうです。

一方の金勝山菩提寺はのちに金勝山金勝寺と改称し、現在も栗東市に存続しています。
他方の円満山菩提寺は廃れてしまい、現在は湖南市に地名を残すのみです。

お寺

ちなみに現在、湖南市菩提寺にある菩提禅寺は、円満山菩提寺とは縁もゆかりもありません。
もともとは蓮華庵だったのですが、廃れた阿弥陀寺の跡地へ移ってきたときに、改称したのです。

近江国輿地志略. 下(巻49至100) のコマ番号:10/241
国立国会図書館デジタルコレクションより

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