永源寺(えいげんじ)は、滋賀県東近江市永源寺町(ひがしおうみし えいげんじちょう)にある臨済宗永源寺派(りんざいしゅう えいげんじは)の大本山です。
紅葉の名所として有名なのですが、時期をずらして真冬の 2月に行ってきました。
まずは方丈の手前にあるご朱印所まで行って、総門の受付の自動券売機で買った入場券と拝観パンフレットとを交換してもらいました。

方丈(本堂)のびんずるさん
すぐ隣に方丈(本堂)があったので、まずそこから見ていきました。

方丈の廊下
まず気になるのは方丈の正面に据えられた、赤いびんずるさん(賓頭盧尊者)の像です。
十六羅漢の第一で、別名を「撫(な)で仏」ともいいます。
その像を撫でた手で自分の患部にふれたり、その像の自分の患部と同じ箇所を撫でたりすると、自分の患部が治ると信じられています。
びんずるさんの像はいろんなお寺で見掛けますが、どの像も撫でられすぎてテカテカです。
あまりに撫でる人が多くて、びんずるさんも手に負えなくなっているのではないでしょうか。
なお履物を脱いで方丈に上がり、奥へと進んでお参りしておきました。
禅堂の前に広がる庭

禅堂の前の庭
さて方丈から出て正面を見ると、そこには苔むした庭が広がっていました。
囲いも何もないので、砂利の上を自由に見て歩けます。
ただ苔の上を歩くのは、せっかく生えた苔が傷むので、ご法度(はっと)になっています。
それを守らないと、苔の周りが柵などで囲まれることになります。
どこかのお寺の庭で見たことがありますが、あまりいい光景とは思えません。
無関係の芭蕉の句碑

松尾芭蕉の句碑
蒟蒻(こんにゃく)の 刺し身もすこし 梅の花 芭蕉
この石碑に刻まれているのは、松尾芭蕉が故人を偲(しの)んで詠んだ句だそうです。
その句は蕉門十哲でもある弟子の向井去来に宛てて、遺(のこ)されました。
松尾芭蕉がこのお寺に立ち寄って詠んだのかと思ったら、まったく関係がありません。
蒟蒻と梅の花から「永源寺」を連想した人が、石碑を作って寄進したそうです。
ただ出来が素晴らしく良いので、両脇の梅の老木と相まって、いかにも由緒ある石碑のように見えます。
池と石群と石庭
- 法堂の横の池と石群
- 法堂と開山堂の間の石群
- 開山堂の庭
さて法堂(はっとう)の入り口から中を見終わり、ふと横を見ると、そこには水竜が顔を出している池と、夥(おびただ)しい数の石が何段にも並べられているのが見えました。
手前の水竜が水から顔を覗かせているので、自然と水を連想させます。
もし水と関係しているのだとすると、次から次へと襲い来る波のようにも見えました。
つぎに開山堂へ行くため山側の通路を通ると、険しい山のように見える石群もあります。
2つがすぐ近くにあるので、対比しているのかも知れません。
最後に開山堂に到着すると、荒々しい風景から一転、穏やかな石の庭がそこにありました。
永源寺の裏出入り口

僧堂と含空院
永源寺の一番奥まで来ると、ここまで来る人も少ないので、あたりはとても静かです。
このあたりの建物群には、基本的に一般の参拝客は立ち入れません。
今までならここで引き返していたのですが、道はさらに裏手へと続いているようです。
ものは試しで何があるのか、一度行ってみることにしました。
つぎは裏参道を歩きます。

コメント