福井県小浜市羽賀(おばまし はが)には、羽賀寺(はがじ)という古いお寺があります。
以前から、小浜市内の道路案内標識に「羽賀寺」の文字を見掛けて、気になっていました。
道の駅「若狭おばま」からの帰りに、「羽賀寺」の文字を見付けて急遽(きゅうきょ)行ってみることに。
羽賀寺は、山あいに建てられた静かなお寺でした。

道の駅「若狭おばま」から羽賀寺に向かい、駐車場から開山堂の石垣の前まで行って、羽賀寺境内案内図を見たあとは、庭園の中を通り抜けて、サイクリング道路に出ました。
羽賀寺の旧参道を通って

さてサイクリング道路を歩いて駐車場の方へ来ると、幅広の石段がありました。
石段から続く道の先に開山堂が見えるので、どうやら羽賀寺の旧参道のようです。
折角なので旧参道を通って、開山堂まで戻ることに。
雑草が処どころに生えていますが、定期的に草刈りが行われているようで、歩きにくさはありません。
人道橋を渡って 玉垣で囲われた境内へ 本堂へと続く道
細い橋を渡って、一部だけ残った玉垣の間を進むと、ふたたび開山堂の近くに着きました。
あとは坂道を登っていけば、高台にある本堂まで行けるようです。
藤だなとハス池のある憩いの場

羽賀寺の本堂に向かって歩いていると、参道の左側奥に藤だならしきものが見えました。
その下には休憩できるようにベンチが置かれ、手前には石で縁取られた池も配置されているようです。
憩いの場(左)、藤だな 憩いの場(中)、ハス池 憩いの場(右)、参道
近づいてみると手前の池は、無数のスイレンの葉が浮かぶハス池でした。
池の真ん中に置かれている石はもしかすると、弁財天を象徴しているのかも知れません。
藤だな ハス池
ただ藤だなのフジもハス池のスイレンも、花の時期ではないので寂しい限りでした。
ゴールデン・ウィークや 7月ごろに訪れると、花も見ごろになるのでしょうね。
石段を登って本堂へ

季節外れの憩いの場から、ふたたび参道に戻って、最後は数十段ほどの石段を登っていきます。
羽賀寺境内案内図によると、なだらかな勾配の坂道(一般的に女坂とよばれる)も右側にあるようです。

石段を上がったところには、羽賀寺の本堂がありました。
周囲を森に囲まれており、厳(おごそ)かな雰囲気と静けさに包まれています。
羽賀寺はそもそも、奈良時代に女帝元正天皇が僧の行基に命じて建てさせた、お寺だそうです。
ご本尊は木造十一面観音立像で、元正天皇の姿を模したものと伝わっています。
拝観受付は、本堂正面の階段を上がって、左側の引き戸の中です。
天ヶ城登山口で引き返して

羽賀寺の本堂から右の方へ進むと、「天ヶ城登山口」と達筆で書かれた案内板がありました。
天ヶ城山の頂きには、主郭と副郭からなる城跡が今もなお、遺(のこ)されているようです。
獣害防止柵の扉の向こうに「羽賀寺コース」と書かれているので、登山道がいろいろとあるようです。
ただ残念ながらこのときは、小雨が降り始めてしまいました。

せっかく天ヶ城登山口まで来たのですが、仕方がありません。
山登りは次の機会に延期することにしました。
あとがき
現在の羽賀寺は、広大な敷地の中にいくつかの建物があるだけです。
ただ参道を歩いていると両脇に、平らで広い場所がいくつも見受けられました。
時の天皇の命にしたがって僧行基が建てた寺院なので、大きな寺院だったことは疑いようがありません。
平らな場所にはきっと、多くの僧坊が建てられていたのでしょう。
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