滋賀県高島市今津町(たかしまし いまづちょう)には、箱館山(はこだてやま)があります。
以前 2度ほど、ゴンドラに乗って山頂のゆり園を訪れたことがあります。
ということで今回は、三角点のある箱館山頂上まで徒歩で登ってきました。
帰りは、ついでに伊井城跡(いいじょう あと)を探索しています。

箱館山ゴンドラ山麓駅前駐車場から、箱館山頂上まで登ってきました。
分岐点から伊井城跡へ


さて箱館山頂上に登ったあとは、尾根筋の分岐点まで来た道を戻って、伊井城跡を見に行きました。
処どころに倒木が横たわっているので、迂回しながら進んでいきます。


途中には、イノシシのヌタ場もありました。
登山道を登ってくるときにも、地面を掘り返した跡があったので、棲息しているのは確実です。

イノシシのヌタ場を通り過ぎると、横がけ道が始まりました。
一般的に山城は尾根上に展開されるので、どこへ連れて行かれるのか不安になります。
伊井城跡説明板と眺め

横がけ道から明るい場所に出ると、文字だけの伊井城跡説明板が設置されていました。
山の尾根筋には、通称「重箱」と呼ばれる、東から西へ階段状に連なる 5つの郭(くるわ)跡があるそうです。
ところが説明板の背後の斜面を見上げても、樹木が密生していて地面の様子は何も判りませんでした。
なお地元では、鑓(やり)のように見えたのか、「鑓城(やじろ)」の別名もあります。
近江国輿地志略. 下(巻49至100) のコマ番号:168/241
国立国会図書館デジタルコレクションより

ちなみに伊井城跡説明板の前からは、すこし木の枝が邪魔なものの、周辺の景色が眺められました。
琵琶湖の向こう側に見えるのは、鈴鹿山脈です。
伊井城跡を探して


さて伊井城跡説明板からヌタ場あたりまで戻ってきたら、今度は実際に城跡を歩いてみました。
泥濘(ぬかる)んだ窪みを渡って、道なき道を歩いていきます。
すると、5つの郭跡の中で一番高いという、東端の郭跡らしき平坦地にたどり着きました。
階段状になっているとのことですが、道中ヤブだらけだったので、それらしい跡はよく判りません。


帰りには、伊井城跡説明板方面へも踏み跡をたどってみました。
行き止まりまで来ると、すぐ右(西)側に判りにくい竪堀跡があります。
あとがき
たまに城跡を訪れるのですが、通常どこの城跡でも判りやすい縄張り図が設置されています。
ところが伊井城跡は説明文だけで、城跡内にも「本丸」「堀切」「井戸」などの立て札がありませんでした。
しかも城跡内は草木が伸び放題で、すっかりヤブになっていました。
山中で迷うと大変なので、地図アプリなどを持っていない人は、行かないほうが無難です。

気になるのは、東西およそ80メートル南北およそ20メートル、という敷地の狭さです。
とても鑓(やり)のようには見えないので、本当は尾根筋全体に郭群が連なっていたのだ、と想像しています。
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