滋賀県長浜市余呉町(ながはまし よごちょう)には、菅山寺(かんざんじ)があります。
国道365号線で余呉町を通るたびに、その案内板を見掛けるので気になっていました。
以前、余呉湖ほとりの食堂で聞いた話では、菅山寺は山の上にあるお寺なのだそうです。
調べてみると登りやすそうなので、菅山寺を見に行ってきました。

菅山寺護摩堂を見たら、山門をくぐり抜け外へ、片方が倒れた菅公お手植えのケヤキを見上げたあとは、本堂に移動して、近くの鐘堂と高台の如法経堂も見ました。
朱雀池への道
朱雀池への道 道の両脇には坊院跡 石段に石仏
菅山寺本堂のあとは、朱雀池(すざくいけ)に向かいました。
本当は行こうか帰ろうか迷ったのですが、案内板を見たら近そうなので見に行くことに。
朱雀池への道の両側には現在、樹木が生えていますが、坊院跡と見られる敷地が広がっています。
石垣の端まで来ると崩れかけの石段に、小さな石塔がいくつか置かれていました。

ふと気が付くと、木立の向こうに朱雀池らしき水面(みなも)が、キラキラと光って見えました。
もしかすると美しい景色が見られるかも知れません。
ニシキゴイも泳ぐ朱雀池と五所権現
五所権現、朱雀池(左) 朱雀池(中) 朱雀池(右)
ということで、朱雀池のほとりに着きました。
山の上にあるので、小さな池だろうと想像していたのですが、思いのほか大きくて驚きです。
青龍 朱雀 白虎 玄武
四神相応の地とするため、南を守護する神獣「朱雀」を冠する大池を設けたのでしょう。
(東)青龍:高時川(南)朱雀:朱雀池(西)白虎:北国街道(北)玄武:大箕山

朱雀池の水は見たところ茶色いのですが、よく見たら水草や水中を泳いでいるニシキゴイが見えました。
池がそれほど深くなくて、底に溜まったドロが見えているのかも知れません。
朱雀池に自生する水草は、「ヒシ」というミソハギ科の一年草だそうです。
ちなみに、水辺の木の枝に泡状の卵を産み付けるモリアオガエルも棲息しているのだとか。

朱雀池のほとりには、五所権現(ごしょ ごんげん)の簡素な社(やしろ)が建てられていました。
阿弥陀と釈迦、正観音、地蔵、十一面観音の五つの権現を祀(まつ)られていたそうです。
権現とは、仏や菩薩が人びとを救うために、この世に現れた仮の姿(化身)のこと。
弁才天堂と近江天満宮

朱雀池の中に浮かぶ小島には、弁才天を祀る祠(ほこら)である弁才天堂もありました。
下の木造部分は古びていますが、上の屋根は金属板できれいに葺(ふ)き直されています。

なお弁才天堂へ渡るための橋は、落ちてしまったのか、現在は架けられていません。
池岸から小島までは近いので渡れそうですが、小島の石垣が脆そうなので止めた方が良さそうです。

その反対側には、屋根の庇が壊れ外壁を白い幕で覆われた近江天満宮がありました。
もちろん菅原道真(すがわら の みちざね)が祀られており、たくし上げた幕のすき間から中をのぞけます。
菅山寺をあとにして
近江天満宮の前を奥へ 朱雀池を右下に見ながら 分岐点(左)ブナの森(右)山門ケヤキ
菅山寺をほぼ一通り歩いたので、近江天満宮と朱雀池の間を奥へ進んで、緩やかに登る山道を帰ることに。
途中の分岐点では、急な上り坂で始まるブナの森の方へ進みました。
倒木手前で曲がって上へ 踏み跡がぼんやりした斜面 堀切近くの分岐点
倒木が横たわっていたり、急勾配の斜面を登ったりで、ブナの森を見ている余裕はありません。
休み休みでしたが、何とか堀切近くの分岐点までたどり着けました。

ということでさらに坂道を登って、多方向に道が分かれる尾根の上の分岐点まで戻ってきました。
あとは山道を里坊弘善館のある坂口集落まで下っていくだけです。
つぎは坂口集落へ下りていきます。
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