滋賀県長浜市余呉町(ながはまし よごちょう)には、菅山寺(かんざんじ)があります。
国道365号線で余呉町を通るたびに、その案内板を見掛けるので気になっていました。
以前、余呉湖ほとりの食堂で聞いた話では、菅山寺は山の上にあるお寺なのだそうです。
調べてみると登りやすそうなので、菅山寺を見に行ってきました。

菅山寺本堂から坊院跡を見ながら、朱雀池まで行ったあとは、池のほとりの五所権現や弁才天堂、近江天満宮を見て歩き、山道を登って尾根筋の交差点まで戻りました。
坂口集落方面へ
坂口・里坊弘善館へ 準四国八十八石像 坂中地蔵
ということで尾根筋の交差点からは、坂口集落方面へ下りていきます。
菅山寺が「大箕寺」と称した頃は大見集落から登ったそうですが、現在はこの表参拝道を登るそうです。
ふもとの里坊弘善館に立ち寄ったあと、この道を登って菅山寺へ参拝するのが一般的なのだとか。
表参拝道に配置された準四国八十八石像を数えながら登ると、良いかも知れません。
こんなところに堀切跡 反対側に堀切の痕跡
さて表参拝道を下りてくると、堀切跡と思われる空堀がありました。
現在は表参拝道を整備したので半分が削られていますが、道の反対側には堀切の痕跡が遺っています。
ウシが経典を運ぶ途中で固まった、牛岩
牛岩への案内板 ヤブの向こうに説明板 牛岩と説明板
表参拝道の中ほどには、「牛岩」と書かれた案内板がありました。
どこにも見当たらないので探しに行くと、畝(うね)を 2つ越えたところに、牛岩はありました。

専暁上人が亡くなったとき、経典をウシに運ばせていると、途中で動かなくなって岩になったのだとか。
なるほど、向こう向きでうずくまっているウシの後ろ姿に見えなくもありません。

ただウシとしてはかなり小さく、子牛ぐらいの大きさしかありません。
小さなウシに無理やり運ばせたので、疲れてうずくまり、そのまま岩になってしまったのでしょうね。
予約が必要な、里坊弘善館
菅山寺登り口 北陸自動車道をくぐって 遠くに鳥居
牛岩からひたすらに坂道を下りてくると、ようやく菅山寺登り口に着きました。
北陸自動車道のガードをくぐると、舗装道路の先に小さく鳥居が見えます。

程なくして、「梅鉢紋」が大きく掲げられた里坊弘善館の前に着きました。
拝観するには予約が必要で、通常は閉館されているのだそうです。
菅原道真が「梅」の家紋を使用したという記録は残っていません。
弘善館の扁額 御朱印は引出の中 鐘つき堂跡か?
里坊弘善館の玄関先には、御朱印の入れられた引出が備え付けられていました。
閉館している場合、お釣りを受け取れないので、小銭を用意していくのが良いでしょう。
近江天満宮の大鳥居

ということで、赤い大鳥居まで下りてきました。
菅山寺はお寺なのにどうして?と思ったら、菅山寺朱雀池のほとりにあった近江天満宮の鳥居のようです。
菅山寺坂口入り口(左) 菅山寺坂口入り口(中) 菅山寺坂口入り口(右)
旧北国街道まで出て振り返って見たのですが、どうしても神社の入り口にしか見えません。
もうすこし小さくても良かった気がします。
出来れば菅山寺の坂口入り口に総門があると、お寺らしくなるのですけどね。
立派な石垣の台座があるので、その上に建てると良いかも知れません。
あとがき
菅山寺とはどんなところなのか、ほとんど知らずに登ってみました。
かつては広大な敷地に多くの坊院を持つ寺院だったそうで、隆盛を誇っていたそうです。
幼き日の菅原道真も勉強しており、のちに菅山寺を復興させたのだとか。
ところが現在は住職が居ないため、建物の老朽化が進んでしまいました。

ただ有志の方によって、参道や菅山寺自然園などが整備されているそうです。
山歩きが好きな人は一度、訪れてみると楽しいかも知れません。
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