石川県加賀市(かがし)にある片山津温泉(かたやまづ おんせん)に行ってきました。
片山津温泉は柴山潟(しばやま がた)という湖のほとりにある、景色の素晴らしい温泉地です。
ただ温泉に行くだけだと勿体(もったい)ないので、ついでに周辺の観光地もいくつか巡ってみました。
たまたま訪れた那谷寺は、ちょうど紅葉の真っ盛りだったので、とても美しかったです。

那谷寺の特別拝観エリアの琉美園を見に行き、阿弥陀三尊の姿にも似た三尊石を見たあとは、茶室「了々庵」を経由して金堂華王殿に戻り、すぐ横の普門閣・宝物館を見てきました。
参道の途中で鐘楼へ
参道 鐘楼への分かれ道 鐘楼へと続く石段
ということで金堂華王殿(こんどう けおうでん)から、ふたたび参道まで戻ってきました。
朝早く来たときには誰も歩いていませんでしたが、もう奥から帰ってくるお客さんがいます。
参道を奥へと歩いていくと、鐘楼へと上っていく分かれ道がありました。
ちょっと気になるので、石段を上って見てくることに。

鐘楼の前に着きましたが、梵鐘(ぼんしょう)がある場所には、連子窓がはまっていて見られません。
行列も出来ていないので、鐘楼内部も見学できないようです。

このまま奥へ進むと、護摩堂(ごまどう)があるようですが、一旦下りることにしました。
顔のようにも見える、奇岩遊仙境
奇岩遊仙境への入り口(左) 奇岩遊仙境への入り口(中) 奇岩遊仙境への入り口(右)
護摩祈祷所の横を通って参道に戻ってくると、あたりの木々が鮮やかに色付いていました。
琉美園(りゅうびえん)は道が狭く感じましたが、こちらは広々として壮大な印象を受けます。

さらに参道を奥へ歩いていくと、左側の池の向こう側に奇妙な形の岩山が見えてきました。
その岩山は「奇岩遊仙境(きがん ゆうせんきょう)」と名付けられており、異様な雰囲気を放っています。
まるでネバー・エンディング・ストーリーの中に登場するロックバイターのようでした。
岩窟(がんくつ)が 3つあるので、シミュラクラ現象が起きて、顔に見えたようです。
シミュラクラ現象とは、何かが 3つ集まっていると顔に見えるという脳のはたらきのこと。
伝記小説「遊仙窟」に似ている
遊仙境と似ているものに、中国の唐の時代に書かれた伝記小説「遊仙窟(ゆうせんくつ)」があります。
奈良時代に遣唐使によってもたらされ、かつて日本で流行(はや)っていました。
万葉集 松尾芭蕉 高杉晋作 落語
万葉集の中には、「遊仙窟」の内容を踏まえたものがあり、さらには松尾芭蕉の俳句や高杉晋作の都々逸(どどいつ)、落語「明烏(あけがらす)」などにも影響を与えたようです。
奇岩遊仙境(左) 奇岩遊仙境(中) 奇岩遊仙境(右)
この岩山を「遊仙境」と名付けた人は、おそらくこの伝記小説のことを知っていたに違いありません。
ただ内容が寺院にそぐわないので、「仙窟」を同じ意味の「仙境」に変えたものと思われます。
仙境とは、仙人が住んでいる俗世間から離れた清らかな土地のこと。
展望台に上って

奇岩遊仙境を見ながら歩いていると、反対側に展望台があったので、階段を上ってみました。
こちら側の木々も黄色く色付いています。
展望台から(左) 展望台から(中) 展望台から(右)
展望台の上からだと、奇岩遊仙境が少し遠のいてしまいました。
ただ見える範囲が広がったので、その全体像がわかります。
奇岩遊仙境を下から見上げていたときには見えなかった、奥の稲荷社が見えるようになりました。
岩に石段が刻まれ赤い鳥居が建てられていますが、登っている人の姿は見られません。
さらに那谷寺を見て回ります。
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