石川県加賀市(かがし)にある片山津温泉(かたやまづ おんせん)に行ってきました。
片山津温泉は柴山潟(しばやま がた)という湖のほとりにある、景色の素晴らしい温泉地です。
ただ温泉に行くだけだと勿体(もったい)ないので、ついでに周辺の観光地もいくつか巡ってみました。
たまたま訪れた那谷寺は、ちょうど紅葉の真っ盛りだったので、とても美しかったです。

那谷寺の参道を歩いて、途中で鐘楼に寄り道し、池の手前から奇岩遊仙境を眺めたあとは、近くの展望台に上って、奇岩遊仙境の奥にある稲荷社を遠くから眺めました。
展望台から鎮守堂へ

展望台のさらに上には、白山妙理権現が祀(まつ)られている鎮守堂があります。
滑りやすいと注意書きのある石段を登って見に行きました。
石段の下半分は岩を削って作られていますが、上半分はコンクリート製です。
岩の階段は落ち葉が積もったあとに、雨で濡れたりすると、滑りやすいかも知れません。

鎮守堂にお参りして振り返り、あらためて雄大な奇岩遊仙境の全容を眺めてみました。
岩山が色とりどりの木々に囲まれており、そこに刻まれた石段を仙人が歩いていそうな雰囲気です。
まさに「仙境」とよぶに相応(ふさわ)しい感じがしました。
現代になって架けられた、楓月橋

鎮守堂から展望台まで下りて、今度は楓月橋(ふうげつきょう)を渡って三重塔へ向かうことに。
「楓月橋」と名付けられているだけのことはあって、この時期は紅葉が美しいです。
橋の上を歩いてみましたが、木造の橋にしては全体的にあまり古びていません。
それもそのはず、楓月橋は現代になってから架けられたそうです。

そもそもは、那谷寺を再建した三代目加賀藩主前田利常が、考えていたものだそうです。
ところがなぜだかその当時、橋が架けられることはありませんでした。
ちょっと小さめの三重塔

楓月橋を渡り終えると、国の重要文化財に指定されている三重塔の前に着きました。
仏塔に分類される文化財の中で、最も小さいと言われているそうです。
ただ屋根が低いところにあるので、屋根の扇垂木の構造を間近で観察できます。
また柵があまり離れていないので、扉に施された唐獅子と牡丹の浮き彫りを近くから見られるそうです。
正面の扉が開け放たれているので、中に安置されている大日如来の姿を拝めました。
南北朝の戦乱のときには戦禍を逃れるため、宗徒の手によって運び出され、山中に隠されたそうです。
遺跡が眠っている大池
大池の横の道(左) 大池の横の道(中) 大池の横の道(右)
三重塔から階段を下っていくと、紅葉と土手に挟まれたまっすぐな小径に着きました。
このあたりも紅葉がきれいです。

土手が気になるので階段を上ってみると、大量の水をたたえた大池が広がっていました。
かつてこの大池の底を学術調査したところ、那谷寺の遺跡が発見されたそうです。

調査によると、焼かれてしまった那谷寺の建物の址(あと)だとのこと。
南北朝時代から戦国時代にかけて、何度も戦乱に巻き込まれていたようです。
那谷寺の境内はとても広いと思っていましたが、かつてはもっと奥まで建物があったのですね。
つぎは大悲閣(本殿)を見に行きます。
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