石川県加賀市(かがし)にある片山津温泉(かたやまづ おんせん)に行ってきました。
片山津温泉は柴山潟(しばやま がた)という湖のほとりにある、景色の素晴らしい温泉地です。
ただ温泉に行くだけだと勿体(もったい)ないので、ついでに周辺の観光地もいくつか巡ってみました。
たまたま訪れた那谷寺は、ちょうど紅葉の真っ盛りだったので、とても美しかったです。

北陸自動車道を加賀インターチェンジで降りて、加佐ノ岬を目指して走っていたら、北前船の里資料館の駐車場に着いたので、その資料館を見に来ました。
囲炉裏のある居間を、オエとよぶ

玄関(ゲンカン)から入ってすぐの庭(ニワ)で靴を脱ぎ、最初の部屋に上がりました。
ショーウィンドウがあったので中を見ると、往時を偲ばせる船模型や看板などが飾られています。

その部屋は 30畳もある大広間で、オエとよばれています。
土間から上がってすぐの囲炉裏がある居間のことを、この地方では「御上(おえ)」というようです。

オエの中を見回すと、北前船の航路と寄港地が描かれた地図が展示されていました。
北前船は、日本海沿岸と瀬戸内海を航海して、大阪と北海道を結ぶ航路を往復していたようです。
口座敷から中座敷をへて奥座敷へ

次に口座敷(クチザシキ)に入ると、北海道のお土産がいくつか展示されていました。
一番豪華なものは、北海道に住むアイヌの人びとの生活を描いた絵を、金屏風に仕立てたものだそうです。

反対側を見ると、いくつものの船箪笥(ふなだんす)が、ところ狭しと並べられていました。
それは口座敷だけに収まらず、となりの中座敷(ナカザシキ)まで続いています。
船箪笥とは、船頭が船の上で船往来手形などの重要書類やお金、衣裳類を入れたもの。

奥座敷(オクザシキ)まで来ると、奥に大と小の仏壇が並べられ、右側には仏具が展示されていました。
日本海が荒れる冬場は船主が屋敷にいるので、豪華な大の仏壇を使ったそうです。
奥に増築された、新座敷
新座敷への入り口 新座敷
奥座敷のさらに奥の新座敷(シンザシキ)へと、廊下は続きます。
新座敷と名付けられているので、あとで必要になり増築された座敷なのでしょう。
和磁石と遠眼鏡 船往来手形 海図
新座敷の中には、おもに次のようなものが展示されていました。
- 和磁石 ………… 日本で工夫して十二支の方位をつけた方位磁石。
- 遠眼鏡 ………… 沿岸を航行するときに目印の山を見るのに役立った望遠鏡。
- 船往来手形 …… 諸国を船で行き来するのに必要な木札のパスポート。
- 海図 ………… 海峡や港の深さ、岩礁の場所や方角などが描かれた簡易的なもの。

新座敷の奥には、地元の焼き物である九谷焼の大きな絵皿が飾られていました。
そこには北前船が大きく描かれています。
北前船主の生活展、第一土蔵にて
北前船主の生活展 第一土蔵連絡通路 第一土蔵の入り口
新座敷のさらに奥には第一土蔵があって、そこでは北前船主の生活展が開かれていました。
窓から景色を眺めながら、赤い毛氈(もうせん)が敷かれた廊下を歩いていきます。
漆塗りの樽 髪飾りや箱枕、お盆など 刺繍が施されたふくさ
第一土蔵の中に入ると、両側のショーウィンドウの中には、生活の品じなが展示されていました。
北前船主は莫大な利益を得たそうなので、どれもこれも贅沢なものになっています。
さらに北前船の里資料館を見て回ります。
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