岐阜県大垣市赤坂町(おおがきし あかさかちょう)には、こくぞうさんとよばれるお寺があります。
正式名称は、金生山明星輪寺(きんしょうざん みょうじょうりんじ)といいます。
訪れたことがなかったので、はじめて金生山明星輪寺にお参りしてきました。
石灰岩の採れる山なので、裏山に広がる岩巣公園も見どころの一つになっています。
明星輪寺の仁王門をくぐって、観音堂にお参りし、長屋で赤鉄鉱の原石を見たあとは、本堂にお参りして、その奥で岩屋を見ました。
階段を登って岩巣公園へ
岩巣公園案内 岩巣公園を見上げて
さて明星輪寺本堂から出てくると、境内の端に岩巣公園案内が立てられていました。
岩巣公園という小型のカルスト台地には、風化によってできた無数の奇岩怪石が群立しているのだとか。
案内の下半分を見ると、公園内に点在する奇岩のある場所が、写真付きで紹介されていました。
オリエンテーリングさながらに、公園内を散策するのも楽しいかも知れません。
岩巣公園への階段 五輪塔分岐点(左)奇岩群と展望所(右)蔵王権現社
ということで、鐘つき堂の横を通って、岩巣公園への階段を登っていきました。
階段を登ったところには五輪塔が鎮座しており、その周囲には多くの卒塔婆が立て掛けられています。
虚空蔵菩薩が守護する干支の彫像

五輪塔の前で道が左右に別れていたので、まずは右へ進んでみました。
最初に目に入るのは、巨大な石灰岩に彫られた寅像です。
彫刻師 清水金峯が古希(数え70歳)で発願して、ふもとから毎日通い、喜寿(数え77歳)で彫り上げました。
明治11年寅年に地元赤坂町で生まれ、大理石で寅の置物を作るのを生業にしていた方です。

隣の岩の上には、誰の作かは判りませんが、丑像が置かれていました。
明星輪寺のご本尊である虚空蔵菩薩は、丑年・寅年生まれの守護仏なので、つじつまを合わせた格好です。
権現岩ともよばれる、観音岩

丑像のすぐ隣には、観音岩がありました。
別名を権現岩というようですが、観音像は自然に現れたものではなく、人工的に彫られたものです。
彫られた直後は、白い円の中に観音様の姿が浮かんで、さぞかし美しかったことでしょう。
ところが長い年月を経て石灰成分が流れ出し、汚れた感じになってしまいました。

ただ、これはこれで趣がある、と見る人もいるでしょうね。
味方によっては、侘び寂びが感じられなくもありません。
修験道の本尊を祀る、蔵王権現社

一番奥には、蔵王権現社(ざおうごんげんしゃ)が建てられていました。
祀られているであろう蔵王権現とは、日本独自の山岳信仰である修験道の本尊です。
明星輪寺はそもそも、修験道の開祖である役小角(えんのおづの)が建てたとされています。
かつては金生山でも、修験者たちが修行していたことでしょう。

そういえば、途中の岩陰で小さな石像を見付けました。
最初はよく判らなかったのですが、両足に高ゲタを履いているので、どうやら役小角だったようです。
さらに岩巣公園を歩いていきます。
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