滋賀県の琵琶湖の東側には、湖東三山(ことうさんざん)とよばれる、古くから続く 3つのお寺があります。
龍応山 西明寺と松峰山 金剛輪寺、釈迦山 百済寺がそれです。
紅葉の時期も美しいですが、人気(ひとけ)の少ない時期も、趣(おもむき)があって良いものです。
ということで、暖冬で雪がまったくない真冬の百済寺を訪れてきました。

本堂から出て、鐘つき堂の横の千年菩提樹を見たあとは、裏山に登って、荒れ果てた旧本堂跡を眺め、五重塔跡では土のうで保護された土台と、石灯籠の基礎石を見ました。
五重塔から下って本堂へ
五重塔跡から西へ 左の階段を下りて 僧坊跡の中を歩き ネット沿いの道 かなり広い僧坊跡 木立の向こうに本堂
五重塔跡を歩き回っていると、もう一つ別の階段があったので、そちらから下りてみることにしました。
下り始めると、いくつか僧坊跡らしき平らな場所があります。
下り坂が一段落すると、谷側にネットが張られていたので、それに沿って歩いていきました。
すぐ下の斜面の勾配が急なので、過って人が落ちないようにしてあるのでしょう。
広い僧坊跡の中を歩いたあとに、続く道を歩いていくと、木立の向こうに本堂が見えてきました。

本堂への出口には、チェーンパーティションがありました。
どの案内図にも立入禁止とは書かれていないので、五重塔跡方面へ迷い込まないためのものだと思われます。
旧喜見院跡
さて参道の石段を下りてきて、仁王門をくぐると、左側に広い場所がありました。
入ってみると長方形の池があったので、防火用水だと思い、すぐに出てしまいました。

実はこの場所には、かつて喜見院という庭園付きの建物があったそうです。
昭和初期に移転されて現在は、受付のある本坊喜見院になっています。
ちなみに最初見た本坊喜見院の庭園は、旧喜見院の庭園から移した庭石に、谷川から運び入れた巨石を加えて、再構成し作られているそうです。
池泉回遊式鑑賞式庭園ふたたび
天下遠望台への道 百済寺城跡の石垣遺構
ということでもう一度、本坊喜見院の庭園を見に行くため、天下遠望台の近くまで戻りました。
途中に百済寺城跡の石垣遺構があったので、今度は下から見上げることに。
遠望コース1 遠望コース2 遠望コース3
天下遠望台からは、庭園順路のひとつである遠望コースを逆にたどって下りていきます。
紅葉の時期なら迷惑になりますが、真冬で誰も歩いておらず、ひとりのんびりと歩けました。

もうすぐ遠望コースが終わるというところで、もう一度、庭園の池を眺めておきました。
他には誰も見ていないので、庭園の景色を独り占めした気分です。
あとがき
本坊喜見院表門(左) 本坊喜見院表門(中) 本坊喜見院表門(右)
実は駐車場から入ってくる門は本坊の裏門で、参道への出口になっているのが本坊の表門です。
そもそも本坊は住職の住む建物なので、普通は参拝客が立ち入りません。
ところが自動車で訪れる参拝客から参拝料を取るために、道順が変わってしまいました。

こんにちでは百済寺の長い表参道を、歩いて登る人はいないのかも知れません。
むかしの人に倣(なら)って、ふもとの赤門から極楽橋経由で登ってみるのも面白いかも知れません。
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