滋賀県の琵琶湖の東側には、湖東三山(ことうさんざん)とよばれる、古くから続く 3つのお寺があります。
龍応山 西明寺と松峰山 金剛輪寺、釈迦山 百済寺がそれです。

もみじの紅葉が美しいことで有名なので、過去に何度も訪れたことがあります。
毎回たくさんの参拝客で、境内は溢(あふ)れかえっていました。
ただ人気(ひとけ)の少ないお寺というのも、趣(おもむき)があって良いものです。
締めくくりとして、暖冬で雪がまったくない真冬の西明寺を訪れてきました。
西明寺の駐車場へ
湖東三山のうち一番北に位置する西明寺は、国道307号線に面しているので、容易に見付けられます。
一般的には案内板のある丁字路で東へ曲がって、名神高速道路の上を通り、中腹にある駐車場に停めます。
ただ今回は、西明寺の山門から歩いてみたかったので、国道307号線の西側にある駐車場を利用することに。
真冬なので訪れる人も少ないのですが、すでに先客の自動車が停まっていました。

西明寺の駐車場から、国道307号線をはさんで向こう側を見ると、西明寺の石碑が見えました。
すぐ近くに横断歩道があったので、行き交う自動車に気を付けながら渡ります。
西明寺の山門をくぐって

さて横断歩道を渡ると、すぐ目の前に西明寺の山門が現れました。
これまで国道307号線を通るときに、ちらっとは見ていたのですが、ゆっくりと見たのは初めてです。
山門が作り直されてから、あまり年数が経っていないようで、どこを見ても古くささを感じさせません。
山門をくぐって 西明寺山門の受付 西明寺の文化財と参拝時間
その山門をくぐると、すぐに入山受付がありましたが、あたりを見回しても人気(ひとけ)はありません。
冬場は参拝客が少ないので、入山受付は中腹だけにし、人件費を節約しているようです。
不断桜の親株は、長屋門の中
長屋門をくぐって不断桜へ 不断桜のある庭園
人気のない西明寺の入山受付を通り抜けると、すぐに長屋門がありました。
案内板によると、この門をくぐった先に、天然記念物の不断桜(ふだんざくら)があるようです。
西明寺の不断桜とは、春秋冬に開花する高山性のサクラのこと。
絶えることなく咲き続けることから、「不断」の名を冠する。

長屋門をくぐって庭園の中を奥へ進むと、不断桜の立て札の横にサクラの木が生えていました。
小さな花がチラホラと咲いていますが、満開は 11月とのことなので、来るのが遅かったようです。
西明寺には、「不断桜」の名を持つサクラの木が、ここの他に本坊にもあります。
立て札に樹齢 250年とあるので、この木が不断桜の親株、本坊の木が子株なのでしょう。
段々畑のような僧坊群跡
僧坊群跡(左) 僧坊群跡(中) 僧坊群跡(右)
西明寺にはかつて、十七ものお堂と三百を数える僧坊があったそうです。
山門から本堂へと続く参道の両脇には、その僧坊群の跡地がありました。
たまに石垣が崩れているところもありますが、保存状態が良くキレイに積み上げられています。
しかも、表面が美しく苔(こけ)むしていて、見応えも充分にあります。
僧坊庭園跡 僧坊群跡はまだまだ続く
ほとんどの参拝客は、中腹まで自動車で行ってしまうので、こんなに状態がいいのでしょうね。
山門から登ってきて正解でした。
さらに西明寺を歩いていきます。
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