滋賀県の琵琶湖の東側には、湖東三山(ことうさんざん)とよばれる、古くから続く 3つのお寺があります。
龍応山 西明寺と松峰山 金剛輪寺、釈迦山 百済寺がそれです。
紅葉の時期も美しいですが、人気(ひとけ)の少ない時期も、趣(おもむき)があって良いものです。
締めくくりとして、暖冬で雪がまったくない真冬の西明寺を訪れてきました。

西明寺山門前の駐車場から、参道を歩きはじめ、長屋門をくぐったところで「不断桜」の親株を見たあとは、僧坊群跡を見ながら、ふたたび参道を登ってきました。
西明寺の巨大な石垣

西明寺の僧坊群跡を見ながら、参道の石段を登ってくると、とつじょ目の前に巨大な石垣が現れました。
今まで見てきたお寺の石垣の中で、これほど横に長くて背の高いものは覚えがありません。
名勝庭園の石垣 奥まで続く巨大石垣 入山受付へ
西明寺の巨大石垣に使われている石は、お城の石垣に比べると、小さめであることが判ります。
小さな石でも斜めに上手く積み上げれば、崩れにくい丈夫な石垣が出来るようです。
実はこの巨大石垣は、不断桜が植えられている本坊庭園の法面(のりめん)です。
これまで中腹の駐車場から、本坊庭園に直行していたので、まったく知りませんでした。
まずは静寂に包まれた本坊庭園へ
西明寺本坊の入り口 石段を登った先に二天門
さて中腹にある受付に着いたので、入山料を納めました。
正面の石段を登った先には西明寺本堂があるようですが、順路にしたがって西明寺本坊の門をくぐります。
本坊庭園(左) 本坊庭園(中)、不断桜 本坊庭園(右)、本坊
門をくぐったところには、キレイに整えられた本坊庭園が広がっていました。
紅葉の時期に何度か訪れたことがありますが、冬なので人影もなく、まったく違った景色に見えます。

庭園の中を見ながら奥まで歩いていくと、「不断桜」の子株が植えられていました。
雪の重みで枝が折れないように雪吊りされていますが、暖冬なので杞憂(きゆう)に終わるかも知れません。
つづいて名勝庭園「蓬莱庭」へ

つぎはいよいよ名勝庭園「蓬莱庭(ほうらいてい)」を見に行きます。
本坊の玄関先にある門から中をのぞくと、池が見えるので池泉回遊式庭園のようです。

名勝庭園「蓬莱庭」はお寺の復興を記念して、江戸時代初期に小堀遠州の庭造りを参考にして作られました。
築山に居並ぶ立石群は、ご本尊の薬師如来のほか、日光・月光菩薩、十二神将らを表しています。

庭園を奥へ進み、荒々しい石段を登って築山?の上まで来ると、池全体を一望できます。
池の中央には折り鶴をかたどった鶴島が、手前には亀島が浮かび、心字池になっているそうです。
心字池とは、草書の「心」の形に作られた日本庭園の池のこと。複雑な形の池を指すことも。
築山の奥には龍神社
龍神社(左) 龍神社(中) 龍神社(右)
そのまま築山の上を奥に歩いていくと、龍神社と名付けられた小さな祠(ほこら)がありました。
傍らには池があるので、水を司(つかさど)る神様なのでしょう。
分岐点(奥)稲荷神社(右)本堂 谷川沿いの道 石垣の奥に本堂
さらに谷川沿いの寂しげな道を歩いていくと、石垣の奥に本堂が見えてきました。
本堂の中からは、読経(どきょう)の声が聞こえてきます。
ただ二天門を迂回するかたちになってしまいました。
二天門をくぐって本堂に入りたい人は、途中で参道へと通じる脇道に入ったほうが良いかも知れません。
つぎは西明寺の本堂と三重塔を見て歩きます。
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