人工ダイヤモンドと聞いたら、小粒で黄色くて半透明のものを思い浮かべませんか?
宝飾などには使えないので、天然ダイヤモンドのカット工程などで出てくる、くずダイヤモンドと同様に、工業用ダイヤモンドにするしかなかったようです。

ところが数年前に、宝飾用ダイヤモンドを人工的に製造できるようになったそうです。
今朝(2018.12.16)のTBS「がっちりマンデー!!」でやっていました。

実験室で成長したダイヤモンド

さてこれまで宝飾に使われるダイヤモンドは、地中を採掘して得られたものばかりでした。
これを天然ダイヤモンドといいます。
ところが数年前に、天然ダイヤモンドとまったく同様のダイヤモンドを、人工的に製造する技術が確立されたそうです。

このダイヤモンドのことを「ラボグロウンダイヤモンド(実験室で成長したダイヤモンド)」というそうです。
これが量産されれば、とんでもないことになりそうです。
天然ダイヤモンド=ラボグロウンダイヤモンド

このラボグロウンダイヤモンドを科学的に調べた結果、あらゆる面で天然ダイヤモンドと同じだったようです。
- 化学式 ………… C(炭素)
- 熱伝導率 ……… 高い
- 結晶構造 ……… 立体的(同素体である黒鉛の結晶構造は、平面的です)
- モース硬度 …… 10(最高)
- 密度 …………… 3.51[グラム / 立法センチメートル]
- 屈折率 ………… 2.42

ただ宝石鑑定士の方が見ると、天然ダイヤモンドの内部には若干のくすみがあるそうです。
そういった意味でラボグロウンダイヤモンドは、より純度の高いダイヤモンドと言えるかも知れません。
その化学式は、ZrO²(二酸化ジルコニウム)で表されます。
色付きのダイヤモンド
さらに自然界では滅多にお目に掛かれない、赤や青などの色付きのダイヤモンドも製造できるそうです。
今までは真っ赤なダイヤモンドといえば、とても珍しいので、途方もなく高額だったのですが、人工的にいくらでも製造できるとなれば、もうすこし値下がりしそうです。
ボクは関係ありませんが、投機を目的にダイヤモンドを購入して保有するのは、将来的に危ういかも知れません。
養殖真珠のように

ところで、アコヤ貝を使って真珠を養殖する技術を確立したのは、御木本幸吉(みきもと こうきち)さんという方です。
真珠というのは、古くは偶然の産物でしかなかったため、アコヤ貝が片っ端から乱獲されて、絶滅の危機に陥ったこともありました。
しかし御木本幸吉さんの努力のお蔭で、安定して真珠が採れるようになったため、アコヤ貝は絶滅の危機を免れたのです。
ラボグロウンダイヤモンドは、採掘するより安く製造できるようです。
天然ダイヤモンドを求めて、むやみに地中を採掘することも激減するのでしょう。
あとがき
日本において、ラボグロウンダイヤモンドを製造する技術を持っているのが、ピュアダイヤモンド株式会社です。

たいへんすごい技術なので、技術者の方は安全を考慮して、テレビには出演されていませんでした。
実はこの技術を使えば、その他の宝石も製造できたりしないのですかね。
ボクは宝石を付ける趣味はありませんが、これからの宝石業界にひと波瀾ありそうです。
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