米原市の公式ウェブサイトでは、トレッキングマップがPDF形式で無料配布されています。
それによると米原市内の山やまには、トレッキングコースが整備されているようです。
今回はそれらの中から一番気になった、松尾寺山(まつおじやま)に登ってきました。
松尾寺山は、滋賀県米原市上丹生(まいばらし かみにゅう)にある低山です。

旧中山道番場宿の中にある鎌刃城跡駐車場に自動車を停め、旧中山道を歩いて久禮の一里塚まで行ったあとは、工場地帯と西坂集落の中を通り抜け、松尾寺山の西坂登り口まで来ました。
西坂登り口から松尾寺山へ
西坂登り口(左) 西坂登り口(右)
ということで松尾寺山ハイキングコースの西坂登り口まで来ました。
山の中へと伸びる林道を歩いていくのかと思っていたら、右側にある黒い樹脂製の階段を登るようです。
曲がりくねった登山道 鉄塔とその脇の急坂 石灰岩の丁石
階段はすぐに終わるので、あとは曲がりくねった登山道を登っていきました。
登山道は窪んでいるので判りやすいのですが、落ち葉が積もっているのでふわふわして歩きにくいです。
しばらく登っていると前方に送電鉄塔が見えてきて、上り坂が急勾配になってきました。
登っていくと丁石があるのですが、石灰岩で出来ているため脆(もろ)く、文字は読みにくいです。
近江国輿地志略の咲地蔵石像か?
七丁目の丁石 分岐点(右)えみの地蔵 えみの地蔵展望台
茶色の案内板と石灰岩の丁石、ピンク色のテープを頼りにして、さらに登山道を登っていきます。
すると道端に「えみの地蔵」と書かれた案内板があったので、ちょっと寄り道していくことに。
えみの地蔵の石造りの祠 えみの地蔵とお釈迦様?
脇道の坂を登って奥の方へ行くと、今にも崩れそうな石造りの祠(ほこら)がありました。
祠の中をのぞくと、錫杖を持った地蔵の石像と、頭髪があって坐禅しているお釈迦様らしき石像があります。
どちらの石像も石灰岩で造られているため、長年の雨風に晒(さら)されて、かなり溶けていました。
地蔵の石像の口元が微笑んでいるように見えるそうですが、よく判りません。
ちなみに解説板によると、近江国輿地志略(おうみのくに よち しりゃく)に紹介されているそうです。
確認してみると「咲地蔵石像 同山(松尾寺のある山)の半腹にあり」とありました。
ただ、どこにも「えみのじぞう」と読むとは書かれていませんでした。
近江国輿地志略. 下(巻49至100) のコマ番号:111/241
国立国会図書館デジタルコレクションより
えみの地蔵からの景色

えみの地蔵からは、近くの山やまと遠くの琵琶湖が見えます。
ただその日は曇り空だったので、湖面に雲が映ってしまい、湖がはっきりとは見えませんでした。
石灰岩群(左上) 石灰岩群(中) 石灰岩群(右下)
あたりには、地面から露出している石灰岩群がたくさんありました。
近くに石灰岩がたくさんあるので、むかしの人は石像や丁石を造るのに利用したようです。
地蔵峠の一本杉へ
ゆるやかな上り坂 松尾寺まで1.4キロ 地蔵峠
えみの地蔵からは、緩やかな坂道を登っていきます。
登山道がつづら折りになったあたりからは、モヤが出てきましたが、無事に地蔵峠に着きました。

地蔵峠には、巨大なスギの木がありました。
西坂集落の人たちからは、親しみを込めて「一本杉」と呼ばれているそうです。
またそのスギの木の根元には、胎蔵界大日如来坐像と思われている石像がありました。
石造りの祠の中に安置されていたのでしょうが、残念ながら祠が崩れて、天板が伸し掛かっています。
つぎは、松尾寺山の頂上を目指します。
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