滋賀県湖南市吉永(こなんし よしなが)には、三雲城址(みくもじょう あと)があります。
かつて三雲庄(吉永村、三雲村、妙感寺村)を治めていた、三雲氏の居城がありました。
近江国輿地志略. 下(巻49至100) のコマ番号:13/241
国立国会図書館デジタルコレクションより
ということで、三雲城址を訪ねてきました。
ふもとの旧東海道を見下ろせる、重要な拠点だったと思われます。

三雲城址・八丈岩の駐車場へ
まずは、三雲城址の駐車場へ向かいました。
野洲川沿いを通る県道4号線の交差点「吉永」で、南へ入って野洲川から離れます。
JR草津線の踏切を渡ったら、吉見神社の石標の手前で旧東海道を西(右)へ。
大沙川隧道とよばれる狭いトンネルをくぐったら、フェンスに囲まれた公園の角でふたたび南(左)へ。


入り組んだ団地の中を通り抜けたあと、林道を登っていくと広い駐車場にたどり着きました。
湖南市青少年自然道場が閉鎖されてその駐車場が、三雲城址・八丈岩を訪れる人に開放されたようです。
三雲城址・八丈岩への遊歩道


さて池のほとりを三雲城址案内所まで歩いて来ると、三雲城址入り口への案内板がありました。
遊歩道と林道の二者択一ですが、林道は自動車が行き交うので、遊歩道を選ぶことに。


ということで、せせらぎの音を聞きながら、谷川に沿って緩やかな遊歩道を登っていきました。
湖南市青少年自然道場が閉鎖されたので、遊歩道がけっこう荒れています。
妙感寺への分かれ道を過ぎてしばらくすると、遊歩道は谷川から離れて右へ曲がりました。
ほどなく木立の向こうに、路上に駐車された自動車が見えてきます。
三雲城址登城口から八丈岩へ


遊歩道から林道に出ると、向こう側に三雲城址登城口がありました。
三雲城は「六角氏の逃げ城」として有名なのだそうです。
三雲氏は、近江守護であった佐々木六角氏の宿老という立場でした。
佐々木六角氏は居城である観音寺城を攻撃されるたび、あまり抵抗もせず三雲城へ逃げ込んだのだとか。

設置されている三雲城址案内板を見る限り、それほど大きな山城には見えないのですけどね。
実際は山奥にあったので、ふもとから登ってくるのは大変だったと思われます。
落ちそうで落ちない八丈岩


さて三雲城址登城口からは、まず八丈岩へと続く丸太階段を登っていきました。
斜面の至るところに大岩がたくさん点在しており、しめ縄の張られたものまであります。


しだいに急勾配になっていく丸太階段の先には、見上げるほど巨大な八丈岩がありました。
うたい文句は「落ちそうで絶対落ちない巨岩」で、合格祈願に訪れる受験生もたくさんいるようです。
願いごとの書かれた無数の石が、八丈岩の下に置かれていました。


ちなみに八丈岩はかつて、三雲城の見張り台として利用されていました。
当時は、東海道を行き交う人びとの様子、攻め込んでくる敵の動向、がよく見えていたことでしょう。


八丈岩の裏(北)側へすこし下ったところには、八丈岩も見える見晴らし台がありました。
八丈岩が谷側へ傾いているので、今にも落ちてしまいそうに見えます。
つぎは三雲城址を歩いて行きます。
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