【風刺小説】ガリバー旅行記の主人公ガリバーって、標準的な大きさの普通の人ですよ

独り言
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この頃は、ある業種・業界で圧倒的な力を持つ巨大企業のことを「ガリバー」と呼ぶようです。
もちろん「ガリバー」とは、スウィフトの小説「ガリバー旅行記」に登場する主人公の名前です。

物語の中で有名な場面といえば、小人国に流れ着いたガリバーが、寝ているうちに縛られてしまい、身動きが取れなくなってしまうところでしょう。

ガリバー旅行記

ところがそれは物語の中のほんの一場面に過ぎず、巨人国や空飛ぶ島、馬国なども旅行しています。
なお「ガリバー旅行記」は風刺小説なので、18世紀のイギリスを皮肉たっぷりに描いています。

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小さなことで争う、2つの小人国

第一篇では、ガリバーの乗った船が転覆し、小人の住むリリパット国の浜辺に打ち上げられます。
眠っているうちに、リリパット国の軍隊によって、体は地面に縛り付けられてしまいました。

リリパット国から海峡で隔てられたところには、同じく小人国のブレフスキュ国があります。
2つの国は「卵の殻はどちらからむくべきか」という小さなことで、2世代に渡って戦争中でした。

イースターエッグ

リリパット国ブレフスキュ国は、それぞれ 18世紀ごろのイギリスフランスのことだそうです。
卵は復活祭(イースター)を象徴し、イングランド国協会とカトリック教徒の争いを示しているのだとか。

巨人国を通して描く、イギリスの姿

第二篇では、ガリバーが巨人の住むブロブディンナグ国に上陸します。
目にするものすべてが巨大で、ブロブディンナグ人から見れば、ガリバーの方が珍しい小人でした。

巨大な農夫に捕まって見世物にされたあとは、王妃に売り飛ばされてしまいます。
家具を備えた小さな木箱を与えられ、ペットのように可愛がられることになりました。

ドールハウスで遊ぶ女の子

そんなガリバーに興味を抱いた国王は、彼の故郷であるイギリスのあらゆる事柄について質問します
質問にガリバーが答える形で、18世紀イギリスのさまざまな問題点をあらわに描きました。

空飛ぶ島に搾取される島国

第三篇では、ガリバーが漂流しているところを空飛ぶ島「ラピュータ」に助けられます。
ラピュータは、日本のはるか東の洋上に浮かぶ島国「バルニバービ」の首都で、領空を自在に移動できました。

ラピュータの住人はすべて科学者で、研究のことばかり考えているため、いつも上の空です。
地上のバルニバービラピュータに搾取されており、反乱を起こすとラピュータが飛んできて鎮圧しました。

小島

またバルニバービでは、ラピュータ帰りの人が実験的農業をするので、農地が荒れています。
ラピュータバルニバービはそれぞれ、イギリスの首都ロンドンアイルランドのことだそうです。

このあとガリバーは、魔法使いの小島で歴史上の偉人と降霊交信したり、不死者のいる大きな島を訪れたあと、日本を経由して故郷に帰ります。

木城ゆきとのSF漫画「銃夢(がんむ)」に登場する、空中都市「ザレム」とクズ鉄町を思い出します。

言語を操る馬が治める平和で合理的な国

最後の第四篇では、ガリバーが馬の国「フウイヌム」を訪れます。
フウイヌムに住む馬たちは高貴かつ知的で言語を操り、平和で合理的な社会を形成していました。

フウイヌムたちは、邪悪で汚らわしく毛むくじゃらの生き物「ヤフー」に悩まされています。
ヤフーたちは野蛮な猿に似ており、酒に溺れ、絶え間なく争い、役に立たない光る石を欲しがりました。

馬のカップル

フウイヌムとは、イギリスの貴族社会を表しています。
ガリバーは結局、フウイヌムの議会で「ヤフーと同じ存在」との判決を受けて、出国することになりました。

あとがき

ガリバー旅行記は児童文学だと思われがちですが、そもそも匿名で書かれた風刺小説だそうです。
18世紀イギリスの問題点を、旅行記のかたちを借りて指摘しました。

「ある業種・業界で圧倒的な力を持つ巨大企業」を「ガリバー」と名付けた人も、巨大企業を持ち上げているようで、本当はウラの意味を持たせているのかも知れません。

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