一人暮らしをしていたときのことです。

カレーライスが好きなので、鍋で一度にたくさん作ったり、いろんな味のレトルトカレーを買ってきては、食べていました。
ただ他の料理に比べると、カレー皿がすごく汚れてしまうのが、気になるところでした。
なるべく簡単に皿を洗いたいと思い、はじめたのがカレーライスの後のお茶漬けでした。
ウチのカレー皿は、底が深いタイプなので、お茶漬けができます。
毎週、禅寺で開かれていた日曜学校
さて、ボクが子どものころ、地元の禅宗のお寺(以降、禅寺)ではキリスト教の教会よろしく、毎週日曜日の朝に、日曜学校が開かれていました。
日曜日になると、近くの子どもたちは朝から禅寺に集まって、住職の言われることに従い、読経をしたり座禅をしたり法話を聞いたりして、最後はお菓子をもらって帰っていました。
その日曜学校の一環として、その禅寺に一泊したとき、思い掛けないことが起きました。
禅寺に泊まったとき

その日の夕食は、子どもがみんな大好きなカレーライスが出ました。
カレーライスを食べ終わって一服していると、食べ終わったお皿にお茶を注いで、カレーの残りをお茶に溶かしてから、飲むように言われました。

はじめてのことで、大人も子どももみんな驚いてしまいました。
ただ実はこれ、禅宗の修行の一つで「洗鉢(せんぱつ)」と言います。
他の生き物の命を頂くので、茶碗に付いたご飯の粘り気まで、無駄にしないということです。

そのため禅宗のお坊さんは、食事の後に茶碗にお茶を注いで、箸でたくあんなどを使って茶碗の中を拭き、最後にお茶を飲み干すことで、茶碗を洗います。
カレーライスの後でお茶漬け
というわけで、カレー皿の汚れが気になったとき、真っ先に思い出したのは、子どもの頃のその経験でした。

ちょっと一工夫ということで、あらかじめ、スーパーマーケットでお茶漬けの素を買ってきておいて、カレーライスを食べ終わった皿で、お茶漬けを食べてみました。
お茶漬けの素には、いろいろと調味料が入っています。
ただ単に、お茶でカレー皿をすすいで飲むのと違って、カレーの味など気にせず食べられました。

もちろん、流し台で皿を洗うのもラクになり、スポンジがカレーで汚れることも無くなりました。
スポンジの使い方は本来、黄色の部分で泡を立てて緑色の部分で洗うのが正しい、と製造会社の方が以前テレビで言ってました。
なべの締めで雑炊やうどんを食べる

そういえば、居酒屋や料亭などで鍋料理を食べたときに、似たようなことをしていますよね。
鍋料理を食べた後のシメといえば、残った鍋つゆの中にご飯やうどんなどを入れて食べるのが、当たり前になっています。

このシメをしないと、大量の鍋つゆが残ってしまい、お店側の後始末がいろいろと大変です。
シメをすれば、残った鍋つゆは減りますし、中に入れるご飯やうどんが売上につながります。
つまり、食べられる物を胃袋の中に入れてしまうので、食品ロスが減ることになります。
あとがき
昔の人は、食料が乏しい時代に、いかに食べ物を大切に食べるかを考えてくれました。
ボクが実践している、カレーライスの後のお茶漬けは、それを踏襲しているに過ぎません。
今は、食料が豊富な時代です。
何も知恵を出さなければ、毎日のように大量の食品ロスが出てしまいます。

ということで、ボクはスーパーマーケットなどへ行くと、なるべく熟成した商品を買うことにしています。
もしかしたら、熟成肉のように、うま味が増えているかも知れません。
消費スケジュールを考えて、賞味期限や消費期限が近くなった商品を選びましょう。
コメント