滋賀県米原市大野木(まいばらし おおのぎ)と岐阜県不破郡関ヶ原町(ふわぐん せきがはらちょう)の間には、大峰山(おおみねやま、別名:大野木山)がそびえています。
久しぶりに登ってみたかったのですが、ふもとの大野木集落には駐車場が見当たりません。
仕方がないので、岐阜県側から大峰山に登ってみました。

大峰山(おおみねやま)を下る途中で、「水神さん」と呼ばれる湧き水を見たあとは、かつて分校があった大野木学校跡と八相宮(はっそうぐう)を訪れました。
樋口商店と大福帳
さて八相宮(はっそうぐう)をお参りしていたら、飲まず食わずだったので、ノドが乾きました。
裏参道口から川を渡って、近くにある樋口商店跡の自動販売機でジュースを買うことに。
子どもの頃は母の実家に行くと、八相宮の横の道を通って、よく樋口商店へ買い物に行ったものです。

ちなみに昔このあたりには、ツケで買い物をする習慣が残っていました。
樋口商店に行くときは、財布の代わりに大福帳を持って行き、買った品物と代金を記入していました。
水が張られた田園地帯を通って
ということで、柏原までは県道551号線(山東伊吹線)を歩いていきました。
地元では「新道」と呼ばれていますが、母が物心がついたときには、未舗装ながらもうあったそうです。

柏原を目指して歩いていると、田んぼには水が張られていました。
もうそろそろ田植えの時期なので、その準備のようです。
山の方を見ていたら、大峰山と野瀬山の間の尾根越えの道を歩いてみたくなりました。
ただ廃道になっているおそれがあるので、止めておくことに。
旧中山道の照手姫笠掛地蔵

JRのガード下をくぐって、交差点「八幡神社前」まで来ると、旧中山道の柏原宿です。
交差点で東へ左折して旧中山道を歩いていると、照手姫笠掛地蔵のお堂に着きました。

照手姫とは、仏教説話「小栗判官・照手姫(おぐりはんがん てるてひめ)」に登場する女性です。
半死半生の小栗判官を車に乗せて、この近くまで来たところ、道端にお地蔵様を見付けました。
自らの笠を被せてお祈りしたところ、お告げをもらったので、熊野まで行ったそうです。
仏教説話「小栗判官・照手姫」は、架空の人物 2人を主人公に、中世以降語り継がれてきた物語。
京であやかしと関係を持った小栗判官は、母方の親類を頼って常陸国へ。
郡代の横山殿に話を通さず、その娘である照手姫とも関係を持ったため、毒殺されてしまいます。
しかし閻魔大王の計らいで、半死半生ながら小栗判官は地獄から蘇ることに。
照手姫の引く車で紀伊国熊野へ行き、湯の峰で体を治して、横山一族に仕返しするのです。
照手姫の「てるて」とは、たぶん「照る栲(てるたへ)」の転訛だと思われます。
郡代の娘なので、普段から光沢のある着物を着ていたのでしょう。
むかしの女性は、滅多に自分の名前を明かさないため、それが呼び名になったと思われます。
あとがき
大峰山千畳敷は子どもの頃に一度だけ登ったことがあるのですが、やっぱり大人になってから見ると、印象がガラリと変わります。
そのときもワラビが大量に生えていたので、季節は同じはずなんですけどね。

ちなみに岐阜県側から谷川沿いを大峰山に登るのは、それほど遠くはありません。
ただ案内板が何も無く倒木が多いので、注意が必要です。
大峰山林道はかなりの遠回りだったので、あとあと足に響きました。
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