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【滋賀】犬上郡多賀町で郡名の由来を探して その2 (大蛇ヶ淵と犬咬明神篇)

名所史跡めぐり
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滋賀県の彦根市(ひこねし)や犬上郡(いぬがみぐん)を流れる、犬上川(いぬがみがわ)の上流には犬上神社があって、その近くに何かいわくのありそうな地名が残っています。

先日、国道307号線を北上していたら、犬上川を渡ったときに、そのことを思い出しました。
ということで、犬上川沿いの道を遡(さかのぼ)って、犬上神社とその周辺を巡ります。

まずは大瀧神社の大鳥居から入って参道を歩き、大瀧神社の本殿とその柵の中にある犬上神社の祠に参拝しました。

すっかり水が少なくなった、大蛇ヶ淵

大瀧神社のご神木スギ
大瀧神社のご神木スギ

さて大瀧神社の境内に生えているご神木スギのあたりからは、犬上川が見下ろせます。
そこが「大蛇ヶ淵」と呼ばれている場所です。

犬上川の水量が少なくなったため、現在の大蛇ヶ淵は岩がむき出しになっています。
しかし以前は、大量の水が流れる急流でした。

大むかしはこのあたりにあった「龍淵」に、大蛇が棲んでいたのだとか。
周辺の住民にたびたび災いをもたらしたと言い伝えられています。

むかしは「蛇」と「竜(龍)」が、よく同一視されていました。

稲依別王命と猟犬小石丸が大蛇を退治

その大蛇を退治したのが、稲依別王命(いなよりわけのおうのみこと)と、その猟犬「小石丸」です。
稲依別王命は大むかし、この地域を治めていました。

住民に害を及ぼす大蛇がいると聞いて、稲依別王命猟犬「小石丸」は、連日連夜あたりを捜します。
しかし懸命に捜したにも関わらず、一向に大蛇を見付けられません。

自立式ハンモック

さすがの稲依別王命ですが、心身ともに疲れてしまったので、すこし眠ることにしました。

ところが猟犬「小石丸」が、近くでしきりに吠えるので、うるさくて満足に眠れません。
激怒した稲依別王命は、腰に提げていた剣で、小石丸の首を切り落としてしまいました。

大蛇

すると小石丸の首は隠れていた大蛇の喉元に咬み付き、大蛇は淵に落ちて死んでしまいました。
猟犬「小石丸」は、大蛇が岩陰に隠れて狙っていることを、稲依別王命に知らせていたのです。

忠犬小石丸が犬咬明神として祀られる祠

犬咬明神の祠
犬咬明神の祠

とっさの出来事に驚いた稲依別王命は、猟犬「小石丸」の忠義を尽くした働きに感激します。
祠(ほこら)を建てて、そこに小石丸の首を犬咬明神(いぬがみ みょうじん)としてお祀りしました。

それが大瀧神社のご神木スギの対岸に見える、小さな祠(ほこら)です。
たぶん首を切り落としたことに対するお詫びの意味合いもあるのでしょう。

北海道犬

猟犬「小石丸」は今もなお、淵に落ちた大蛇が再び暴れ出さないよう、祠の中から見張っているのでしょうね。

旧大滝村の地名の由来となった滝

さて大瀧神社からは、犬上川へ下りられるようになっているので、行ってみました。
現在は犬上川の上流に犬上ダムが造られたので、水が堰き止められ水量が減っています。

滑らかな岩の表面から考えるに、以前はこの岩場を大量の水が流れていたのでしょう。
水量が豊富な頃のこの場所を、地元では「大瀧」と呼んでいたそうです。

普段から大量の水が流れている川は、大雨が降るとたびたび氾濫します。

むかしの人が川の氾濫を大蛇が暴れて近くの住民に害を及ぼしたと表現したのだとすると、稲依別王命とは実際のところ、川の氾濫を鎮める事業を行った人なのかも知れません。

つぎは遊歩道を歩いたのち、犬胴松を見に行きます。

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