国道365号線で滋賀県長浜市(ながはまし)のあねがわ温泉のあたりを走っていると、案内標識に「五先賢の館」と「近江孤篷庵」の文字があります。
前回は道に迷ってしまい「近江孤篷庵」だけだったので、今回は「五先賢の館」と「近江孤篷庵」の両方を訪れてきました。

まずは近江孤篷庵(おうみ こほうあん)の駐車場から、長い参拝道を歩いて山門をくぐり抜け、本堂の手前まで来ました。
注文の多い近江孤篷庵
まずは近江孤篷庵の本堂の玄関先に注意書きがありましたので、それをよく読みました。
時系列に沿って並べ直すと、だいたい次のようなことが書かれています。
- まず履き物を玄関先で脱ぎ「玄関の間」に上がってください。
- 指定された拝観料を、そこに置いてある料金箱に入れてください。
- パンフレットを 1部ずつ受け取ってください。
- つぎに本堂中央の仏さまにお参りしてください。
- 庭園は本堂の縁側に座って静かに観賞し、庭園の中には立ち入らないでください。
- 写真の撮影はできますが、三脚の持ち込みは禁止です。
なおお寺の方は、奥で日常の生活をされています。
釣り銭をもらう必要がないように、小銭を用意してから参拝するのが良さそうです。
一風変わった枯山水庭園
- 枯山水庭園(左)
- 枯山水庭園(中央)
- 枯山水庭園(右)
ボクは枯山水庭園と聞くと、一面に砂利が敷き詰められていて、そこに水の流れを表す線が入れられているのを想像するのですが、こちらは一面に苔(こけ)が生えています。
近江孤篷庵は 100年ほどの間、廃寺も同然だったそうなので、その間に敷き詰められていた砂利が、土砂で埋まってしまったのかも知れません。
ただ近江孤篷庵の枯山水庭園は、他とは違った良さがあるのでしょう。
全体としては連なる山々の手前に海原が広がっていて、左奥の列石が中国廬山の「五老峰」を表し、その手前に舳先(へさき)の上がった舟が浮かぶ様子を表現しているようです。
龍も水を飲みに来る池泉庭園
- 史跡名勝の碑
- 貝多羅葉樹(バイタラヨウジュ)
- 池泉庭園の大槙龍飲姿
近江孤篷庵の池がある庭は本来、池泉回遊式庭園のようです。
しかし参拝者が庭園内への立ち入りを禁止されているので、池泉庭園なのでしょうね。
池は琵琶湖を模しており、そこには大きな槙(まき)の枝が垂れ下がっています。
それはまるで龍が水を飲んでいるように見えるので、「大槙龍飲姿」と呼ばれています。

迫りくる新緑のモミジ
さて実際に本堂の縁側に座って、下から池泉庭園の奥の山を見上げてみました。
すると周囲の山に生えている新緑のモミジが、あたかもこちらに迫ってくるかのようです。
自然の生命力と迫力を感じられました。
本堂の襖絵も見どころ
近江孤篷庵の本堂の随所で見られる襖絵(ふすまえ)も見どころです。
昭和時代の染色家である皆川月華(みながわ げっか)さんの染彩画が使われており、めったに見られない芸術作品となっています。
皆川月華さんは、京都祇園祭(ぎおんまつり)の山鉾(やまぼこ)で使用される、胴掛けや前掛けを長年に渡り制作していたそうです。
つぎは小堀家の墓所を見に行きます。

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