五個荘(ごかしょう)の近江商人(おうみしょうにん)に興味があったので、滋賀県東近江市(ひがしおうみし)の五個荘を訪ねることにしました。
外村宇兵衛邸の庭の散策が済みましたので、外村宇兵衛邸の母屋を拝観します。
今でも動き続ける古い振り子時計
ふたたび外村宇兵衛邸の中に入り、土間から座敷へ上がりました。
そういえば、昔はどこの家に行っても、表玄関から裏口まで土間でつながっていて、土間からそれぞれの部屋に上がれました。

さて、座敷に上がると柱には、昔懐かしい雰囲気の柱時計が掛かっていました。
ただ、こんな珍しい 8の字型のねじ巻き式振り子時計を見るのは初めてでした。

アメリカのEイングラハム社製の振り子時計なのですが、150年近く経った現在でも、滑らかに振り子が揺れています。
また、表面に貼られた金箔がかなり残っているので、時計は今なお輝きを放っています。
外村宇兵衛邸の座敷

となりの部屋に行くと、一風変わった屏風と出会います。
古くなった色紙や短冊、使えなくなった扇子の紙を、屏風の柄として再利用してあります。
これは、ものを無駄にせず最後まで使い切るという、近江商人の始末の心を端的に表したものではないでしょうか。

そんな屏風のカラフルバージョンが、部屋の左奥の方にも飾られています。
部屋の奥に飾るところが、奥ゆかしくて、これまた近江商人らしいと思います。
箪笥の上に飾られた天目茶碗

つぎに奥の部屋に行くと、大きな箪笥(たんす) 2棹(さお)が置かれていました。
箪笥の側面上端にはよく、棹で運ぶための金具が取り付けてあります。
ここの金具は逆Uの字をしているので、最初誰か取り付けを間違えたのかと思いましたが、よく見ると上にスライドさせてから棹を通すタイプのようです。

なお、箪笥の上に載せてある布引焼き(ぬのびきやき)の茶碗は、特別な釉薬を使った天目茶碗だそうです。
じっくりと茶碗を見てこなかったのが悔やまれます。
紳士だったら知っている蔵

さて、突き当りまで進むと、立派な土蔵の入り口に到着しました。
白く塗られた扉や壁の段々を見ると、かなりの厚さであることが、見て取れます。

土蔵の中を一番奥まで進んでいくと、昔CMでよく見た、御幸毛織株式会社に関するものが展示してあります。
紳士だったら知っている、服地はミユキと知っている♪
ミユキ、ミユキテックス!ミユキ、ファンシーテックス!
(御幸毛織のCMソングから)
残念ながらボクは、ミユキのウールの服地でスーツを仕立てたことがないのですが、着心地はどのような感じだったのでしょうか?
なお、御幸毛織株式会社の初代社長が、四代目外村宇兵衛元亮さんでした。
外村宇兵衛邸の二階

では、箪笥になった階段を上がって、母屋の二階を見て回ります。

これまた二階にも、近江商人の始末の心を表すような屏風が置いてあります。
ただ今度は、唐の白居易などの漢詩が貼られているようです。
意味は、さっぱり判りません。

別の部屋に行くと、壁にかけられている 2幅の掛け軸もなんだか中国風に見えてきます。
そういえば、照明器具が中国風といえば中国風です。

中江四兄弟のように、大陸への進出を見据えていたのでしょうか?
つぎは、外村繁邸へ向かいます。
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