以前、油島(あぶらじま)の木曽三川公園センターに行ったとき、もらった「桑名七里の渡し公園」のパンフレットを見て、久しぶりに桑名市まで来ました。
周辺の名所や史跡、施設をいろいろ見てきましたが、最後は旧諸戸清六邸であった六華苑を巡ります。

住吉入江から六華苑の外周を回って、六華苑の長屋門から中に入り、芝生広場から洋館を眺めた後は、内玄関棟から中に入って、大河ドラマ「いだてん」のロケ風景の展示を見ました。
内玄関棟のロビーから

六華苑の内玄関棟のロビーにはお茶席があるので、内庭を見ながら休憩する人が結構います。
その入口は分かれ道になっているので、六華苑の建物内の案内図がありました。
それを見ると六華苑の建物群は、そのほとんどが渡り廊下でつながっているようです。

まず最初は、六華苑で主要な建物となる、洋館と和館を見に行くことにします。
うなぎの寝床のような和館

洋館と和館への廊下を歩いていくと、洋館と和館の境目となる二の間の前に着きます。
たまたまその時間、二の間は立ち入り禁止になっていて、中で雅楽講座が開かれていました。
障子戸からは、練習中の篳篥(ひちりき)のような音が聞こえてきました。
篳篥とは、古くから雅楽に用いられてきた縦笛で、主旋律を演奏します。
長い縁側と奥の一番蔵

見ると和館の方は誰も歩いていないので、まずはそちらを見に行きます。
和館の縁側と座敷の間には、静かに歩けるように畳敷きの廊下が設けられていました。
まずは内庭の景色を眺めながら、長い縁側を奥へと歩いていきます。
広い邸宅なので、内庭の木立の向こうにも、いくつかの建物が見えました。

一番奥まで歩いていって突き当りを右に曲がると、重厚なそうな一番蔵がありました。
接客用の道具類が収められていたそうです。
入り口の引き戸には厳重に鍵が掛けられているので、中には入れません。
一の間から庭園を望む
つぎは長い縁側の途中まで戻って、一の間を見に行きます。
現在は一般に公開されているので、一の間の上座には、一幅の掛け軸があるだけでした。
広い一の間を通り抜けて南の縁側に出ると、混在する芝生広場と庭園が見えました。
洋館と和館からなるこの建物に合わせて、庭も和洋折衷になっているのでしょう。
4階建ての塔がある、2階建ての洋館
和館を見終えたので、今度はジョサイア・コンドルが設計した洋館を見に来ました。
夏場ということで、処どころで大きな扇風機が回転し、たまに窓も開けてあります。
しかし洋館は日本の風土に合っていないのか、暑くて身体中が汗だくでした。
邸内の古めかしい家具は、一部を除いて、後に購入されたものだそうです。
1階は公的空間
諸戸清六邸が建てられた当時は、裕福な家しか電話を持てなかったそうで、電話室を設けるのが一般的だったようです。
食堂や客間を見に行くと、高級そうなアンティーク家具が置いてありました。
洋館の玄関を利用できたのは、諸戸家の主人と来客だけだったそうです。
その他の人たちは、隣の内玄関棟の玄関から出入りしたそうです。
折れ曲がった階段を登って、洋館の 2階に向かいました。
階段は、大勢で乗ったり途中で立ち止まったりするのは、禁止されていました。
2階は私的空間
2階に上がってくると、まず最初に塔屋の応接室があります。
塔屋は 4階までありますが、3階以上は登れないように、ロープが張ってありました。
塔屋の 3階へと続く階段に立ち入るのは、禁止されています。
寝室にはベッドやサイドテーブルなど、それらしいものは何も置いてありません。
書斎には重要な本棚がありませんでしたが、机と椅子が窓の外に向けて置いてありました。
さて書斎からサンルームに出ると、芝生広場や庭園が上からよく見えます。
奥にあったロッキングチェアに腰掛けてみたかったのですが、禁止になっていました。
つぎは番蔵棟や離れ屋などを見に行きます。
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