以前、油島(あぶらじま)の木曽三川公園センターに行ったとき、もらった「桑名七里の渡し公園」のパンフレットを見て、久しぶりに桑名市まで来ました。
周辺の名所や史跡、施設をいろいろ見てきましたが、最後は旧諸戸清六邸であった六華苑を巡ります。


六華苑の案内図
一旦、六華苑の内玄関棟のロビーに戻り、そこからお茶席の奥にある扉から外に出て、二番蔵と番蔵棟を見たあとは、旧高須御殿と離れ屋を訪れました。
六華苑の内庭を歩いて
さて六華苑の建物の中は一通り見たので、つぎは建物の外にある庭を見に行きます。
まずは内庭(うちにわ)を見るため、内玄関棟を出て二番蔵の方に歩いていきました。
- 内庭(左)
- 内庭(中央)
- 内庭(右)
和館の長い縁側からも眺めたのですが、実際に内庭の中を歩いた方が雰囲気を味わえます。
他には誰一人、内庭を歩いていないので、本当の意味で独り占めでした。

内庭と敷かれた飛び石(奥は離れ屋と番蔵棟)
飛び石の上を歩きながら、先ほど訪れた建物を、今度は外側からも見て歩きます。
内装は似たような感じでしたが、外装を見たら違いがはっきりと判りました。
旧諸戸清六邸に設けられた稲荷社

稲荷社
旧高須御殿の隣には、大きめの祠(ほこら)がありました。
むかしから信心深い人は、屋敷の中に祠を建てて、信仰している神様をお祀りしたようです。
この屋敷の主人であった諸戸清六(もろと せいろく)さんは、お稲荷様だったようです。
ただ祠の大きさの割に屋根瓦の飾り付けが豪勢なので、何だか屋根が重そうに感じます。
もしかしたら祠の屋根も、軽い銅板葺などに変えたほうが良いのかも知れません。
主庭園は、池泉回遊式
- 一番蔵から主庭園(左)
- 一番蔵から主庭園(中央)
- 一番蔵から主庭園(右)
六華苑の南側には、池泉回遊式の大きな主庭園が広がっています。
質素で落ち着いた感じのある内庭とは、まったく趣(おもむき)が違っていました。
行田市から寄贈された、古代蓮

古代蓮
六華苑の主庭園の中には、行田市指定天然記念物の「古代蓮」も生えています。
桑名市市政60周年を記念して、友好都市の埼玉県行田市(ぎょうだし)から寄贈されました。
古代蓮とはそもそも、ごみ焼却場の建設中に、土の中から発見された古代の蓮のタネです。
数千年前のタネだと推定されていたのに、自然に芽を出したので話題になりました。
聞くところによると、古代蓮の花は大きくて立派なのだそうです。
ただ残念ながら当日は、その花を見られませんでした。
小山の中に造られた、防空壕

防空壕
小山があったので登ってみたら、小山の斜面には縞鋼板で出来た扉がついていました。
じつはこの小山、防空壕(防空壕)なのだそうです。
防空壕の中は一般公開されていないので、どうなっているのか判りませんが、お屋敷の中には大勢の人が暮らしていたので、収容人数はかなり多そうです。
水面に映る洋館

逆さ洋館
防空壕のある小山から下りてくると視界が開け、池の向こうに洋館と和館が見えました。
池を見ると、洋館と和館が水面に逆さで映っています。
できれば逆さ富士のようにはっきりと、その姿が映っていれば良かったのですけどね。
建物が水辺から離れているので、水面に映る建物は下半分が隠れてしまいました。
岩国市の錦帯橋にも似た橋
- 南から主庭園(左)、橋
- 南から主庭園(中央)
- 南から主庭園(右)
主庭園をさらに歩いていくと、山口県岩国市(いわくにし)の錦帯橋(きんたいきょう)というアーチ橋にも似た、木製の橋がありました。
本当のアーチ橋ではないため、カーブが緩やかで歩きやすいのですが、それでも歩いていると妙な感覚があり面白かったです。
小川を遡ると滝が

滝
最後に、池へと注ぎ込む小川を上流へ辿っていくと、低い滝がありました。
実際の川の様子を再現しているのでしょう、大きな岩がゴロゴロしています。
なお小川の源流を探すのは、不粋なので止めておきました。
ということで池泉回遊式庭園の回遊は終わりです。
分かれ道が多かったので、回り方によっては違う楽しみ方もできるでしょう。
あとがき
六華苑は広大な敷地の中に、いくつもの建物群があり見どころはたくさんあります。
丁寧に見て歩けば、かなり長い間、楽しめることでしょう。
ただ洋館や和館などは、国指定重要文化財だからなのか、扇風機だけでエアコンが無い場所もありました。
快適に拝観するためには、涼しい時期を選んだほうが良いかも知れません。
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