TBSテレビの「がっちりマンデー!!」を見ていたら、大手ではない家電メーカーの中にも、一芸に秀でた会社があって、その一芸に関しては大手にも引けを取らないとのこと。
そんな会社の中に、千石という家電メーカーがありました。
千石はトースターなら、食パンの焼き上がりで他所(よそ)に負けないそうです。
なんか聞き覚えがあるメーカーだと思っていたら、ホームセンターなどに行ったとき、よく見掛ける電気ストーブ「グラファイトヒーター」を作っているメーカーでした。
グラファイト製のヒーター
千石のトースターは、ヒーターが他社とは違います。
千石製の暖房器具に使っているグラファイトを、トースターのヒーターにも採用しています。
グラファイトヒーターに電気を通すと、わずか 0.2秒で 1300度に達します。
素早く食パンをトーストに出来るので、何かと慌ただしい朝食時にはもってこいです。

他方一般のトースターのヒーターは、ニクロム線と呼ばれることもある、鉄とクロムとアルミの合金から作られたカンタル線を採用しています。
カンタル線に電気を流すと、800度に達するまで 20秒ほどの時間を要します。
グラファイトは、高温に耐える

そもそもグラファイトは炭素からなる素材で、人工衛星「はやぶさ」にも使われています。
千石はグラファイトの高温に耐えられる特性に注目して、ヒーターとして利用することを考えつきました。
帯状に加工されたグラファイトに、細かく切れ込みを入れることで電気抵抗を増やし、電気を流れにくくすることで、より高い温度で発熱するように工夫してあります。

それはまるで保育園児のころに作った、紙製の七夕飾りの天の川のようです。
折り紙を2つに折ったあと、左右から交互にハサミで切り込みを入れたように見えました。
トースター内部の反射板
トースターで食パンを焼くには、ヒーターの性能だけではなく、ヒーターで発生した熱をいかに均等に食パンに当てるかも大切です。
そのために疎(おろそ)かにできないのが、トースター内部の反射板です。

千石では反射板を最適な半径で弧を描かせることにより、ヒーターで発生した熱を分散させ、食パンをトーストしたときに焼きムラが出来ないようにしています。
他方一般のトースターは反射板がほぼ平面になっているので、食パンに焼きムラが出来やすくなってしまいます。
あとがき

テレビ番組の中では、実際に千石のトースター「アラジン」を使ってトーストした食パンを食べて、出演者がみな口ぐちに「おいしい、おいしい」と大絶賛でした。
テレビ番組なので、有名な食パン専門店のおいしい食パンをトーストしたのかも知れません。
いつも高級食パンを食べている人なら、きっと千石のトースター「アラジン」の本当の価値が判るのでしょうね。
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