TBSテレビの「がっちりマンデー!!」を見ていたら、「受賞してるけど知らない会社」特集をしていました。
ビジネスの世界にもさまざまな賞があって、受賞している会社がたくさんあるそうです。
その中で特に気になったのは、エスアイディ(sid) が開発したという新素材「ハレハレ(Harehare)」です。
フジサンケイビジネスアイが主催する革新ビジネスアワード2020大賞を受賞しているのだとか。

はじめて聞く会社だったのですが、ガラスに変わる新素材を扱っている会社なのだそうです。
現在ガラスで出来ているものは、しだいに置き換わっていくかも知れません。
割れないガラスコップ
まず最初に紹介されていたのは、見たところ何の変哲もないガラスコップでした。
革新的なアイデアが詰まっているようには、とても見えません。
ところが硬い床に落としてみても、鈍い音を立てたあと、コロコロと転がっているだけでした。
一般的なガラスコップのように、割れて破片が飛び散ったりしていません。

実はエスアイディが、新素材「ハレハレ」という樹脂を使って作ったコップなのでした。
樹脂が柔らかいので、落下の衝撃を吸収してしまうのです。
名称は、水晶やガラスのむかしの呼称「玻璃(ハリ)」に由来すると思われます。
新素材「ハレハレ」の特徴
新素材「ハレハレ」には、つぎのような特徴があります。
ガラスよりも安全
柔らかい樹脂なので、割れたり折れたりしません。
指で押さえると変形しますが、形状記憶素材なので、しばらくすると元に戻ります。
ガラスよりも軽い
軽い樹脂なので、重さがガラスのおよそ 1/3 です。
シャンデリアのガラスを新素材「ハレハレ」に置き換えると、天井の補強工事が必要ないかも知れません。

ガラスよりも熱くならない
熱を通しにくいので、コップに熱湯を注いでも容易に持てます。
ガラスコップに熱湯を注ぐと、熱くて持てませんし、ガラスが割れることもあります。
ガラスよりも透明
番組では、ガラス製、ハレハレ製、透明プラスチック製のコップで透明度を調べていました。
番組ロゴの前にそれぞれのコップを置いて、どのように見えるかを見比べるのです。
ただコップのデザインが異なるので番組ロゴの歪み方はバラバラ、透明度の比較にはなっていませんでした。
番組ロゴが比較的きれいに見えているのは、ハレハレ製コップでしたけどね。

エスアイディ調べでハレハレは、屈折率においてガラスの透明度を超えているとのこと。
紫外線10年分を照射しても、ほとんど黄ばむ(黄変する)ことはないようです。
あとがき
新素材「ハレハレ」を使った製品は、シリコン型に樹脂を流し込んで作られています。
ただ普通に作ると、樹脂の中に空気が紛れ込んでしまいます。
泡入りガラスというものも一応ありますが、ガラスといえば透明なものが一般的です。
樹脂の中に空気を紛れ込ませないためには、真空に限りなく近い環境の中で作る必要があるそうです。
難しい技術のため、できるのは今のところエスアイディだけのようです。
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