最近、市街地にある建物の室内で大量のスプレー缶のガスを抜いたところ、そのガスに給湯器の火が引火して大爆発を引き起こしました。
今回の事故は、かなり爆発の規模が大きかったので、テレビ各局で大々的に取り上げられ、よくニュース番組などで耳にします。
今回こそは、スプレー缶に可燃性ガスを使用することの危険性が、多くの人に伝わったのではないでしょうか。
スプレー缶に可燃性ガスの危険性
スプレー缶のガスは現在、液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)などが、主流になっています。
これらのガスは燃えやすいので可燃性ガスと呼ばれます。
うまく制御すれば燃料として有用ですが、制御を誤ると大爆発を引き起こします。
実際のところ都市部では、スプレー缶の可燃性ガスによる爆発事故が、無視できないほどに起きているようです。
以前はフロンガスでしたが
以前は、スプレー缶のガスとしてフロンガス(海外では通常、フレオンガスと呼ばれる)が使用されていました。
フロンガスとはもともと、冷蔵庫の冷媒ガスとして開発されたものです。
無色、無臭で化学的にも安定していて燃えにくく、取り扱いも比較的容易でした。
まさに「夢の化学物質」とまで呼ばれ、大いにもてはやされます。
さらに当初の用途以外にも、エアコンの冷媒ガスやスプレー缶などにも使われることになり、大量に使用されることになりました。
オゾンホールの防止とガス爆発
ところが現在フロンガスは、その使用が大幅に制限されています。
それは研究によってフロンガスは、オゾン層を破壊する原因になっていることや、温室効果ガスであることが判ったからです。
ということでスプレー缶には、フロンガスの代りとして、主に液化石油ガスやジメチルエーテルなどが使用されるようになりました。
ただ、オゾンホールや地球温暖化を防ぐために、ガス爆発事故の犠牲者になっては、元も子もありません。
環境にもやさしい窒素ガス
ところでスプレー缶の中には、圧縮された窒素ガスや空気を使用しているものがあります。
化粧水や日焼け止めなど、化粧品や医薬品の部類では、お肌に対する影響を考慮して、この窒素ガスのスプレー缶になっていることも多いそうです。
空気とは複数の気体が混ざり合ったもので身の回りにあり、その成分の約8割は窒素です。
窒素ガスならば空気中に放出しても、環境にほとんど影響がなさそうです。
もちろん可燃性ガスではないので、引火することも爆発することもありません。
あとがき
スプレー缶というものは、できるだけ安全に使用できるものであって欲しいです。
日用品なのにガス爆発の危険があるだなんて、ちょっと信じられないです。
- 都市ガス
- LPガス
これがガスコンロだったら、都市ガス(液化天然ガス、LNG)やプロパンガスなど(液化石油ガス、LPG)が燃焼しているのだと判っているので、注意するのですけどね。
スプレー缶のガスを窒素ガスのような安全性の高いものに、切り替える潮時がようやく来たのでしょうね。
ただそれでも、室内でガス抜きなんてしてはダメですけどね。
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