以前、岐阜県関市下之保(せきし しものほ)にある、道の駅「平成」に寄った帰りのこと。
県道80号線を通って、美濃市へ抜けようとしたときに、高澤観音(たかさわ かんのん)の裏参道の入り口を見つけたのですが、有名なお寺だとは知らずに通り過ぎてしまいました。
ということで日を改めて、高澤観音を参拝しています。

まずは参拝順路に従って、鐘楼と多宝塔を見て回りました。
本堂前に立つ巨大な千本桧

さて多宝塔を見終わりましたので、坂道を下って本堂へ向かいます。
この坂道は、関係者の自動車が通れるように、中央だけが階段になっています。

本堂の前の広場には、千本桧(せんぼん ひのき)が立っています。
高澤観音の言い伝えでは、両面宿儺(りょうめんすくな)が山に登るときに、杖として使った桧の枝が、もじゃもじゃと大きく育ったことになっています。

ただある程度成長した樹木を切り倒すと、萌芽更新(ほうがこうしん)といって、切り株から無数の枝が生えてくることがあります。
たぶんその枝が長い年月を経て、群立する細い幹になったのでしょうね。
両面宿儺とは、仁徳天皇の時代に飛騨国に現れたといわれる異形の人です。
美濃清水とも呼ばれる本堂

さて高澤観音の本堂は、山の斜面の岩の上に建てられています。
その造りが京都にある清水寺の舞台に似ていることから、「美濃の清水(きよみず)」として世に知られているそうです。
本堂への階段は両側にありますが、他の参拝客の真似をして、右側の階段から上りました。
こちらには金属製の手すりが付いているし、舞台の下の木組みも道すがら間近で見られます。
ちょっとお得な感じがしました。
本堂へと通じる階段は、右も左も傾きが急です。
本堂の上はスリル満点!

高澤観音の本堂にいざ登ってみると、床板が大して厚くありません。
また床板にすこしすき間があるので、床下の木組みがそこから見え、スリル満点です。
最初のうちは、本堂の安全性が判らないので、おっかなびっくりでした。
しかし不思議なもので、しばらく歩いていると慣れてしまいます。

真ん中まで行って参拝したあとは、本堂の奥に安置してある仏像をのぞいたり、欄干の近くまで行って遠くの景色を見たりしました。
ちなみに隣に建っている籠堂(こもりどう)の外廻り縁は、本当に怖くて歩けませんでした。
みたらしの霊水は目の病に効くらしい
本堂の裏手にある洞窟からは、「みたらしの霊水」が湧き出ています。
それは一旦、階段のところまで戻って、本堂の裏手へと続く細い通路を進むとあります。
この霊水は眼病に効くということなので、柄杓ですくって少し飲み、濡れた手でまぶたを触っておきました。

なお低い格子の向こう側には、小さな宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。
高澤観音は北条政子にゆかりがあるので、源頼朝のお骨の一部が埋葬されているようです。
宝篋印塔とは、墓塔や供養塔などとして用いられる仏塔の様式です。
つぎは高澤山に登ってみます。
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