聞くところによると、ポイントカード「Tカード」を運営する CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が、令状もなしで警察や検察に個人情報を提供しているそうです。
個人情報は基本的には、個人情報保護法によって守られています。
しかしある特定の場合には、個人情報を本人に無断で第三者に提供できてしまいます。
ただそれでも警察や検察が、当然のように裁判所の令状もなしで個人情報を照会し、CCC が Tカードの会員に内緒でそれに応えるのはどうかと思います。
Tカードとは
Tカードとは元々、書店&レンタルビデオ店「TSUTAYA(ツタヤ)」の会員カードです。
ボクも昔は TSUTAYA の会員だったので持っていました。
確かビデオをレンタルするとポイントが付き、ポイントが溜まるとビデオが借りられました。
それが次第に他店にも展開されていき、現在では様々なお店で Tカードが導入されています。
たまに行くドラッグストアで勧められて、結局また Tカードを持つようになりました。
Tカードからは、なかなか逃れられないようです。
個人情報取扱事業者の義務
さて、個人情報保護法(正式名称、個人情報の保護に関する法律)の 23条 1項には、個人情報を取り扱う事業者の第三者提供の制限について書かれています。
あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない
ただいくつかの例外があり、そのうちの一つとして「国の機関や地方公共団体などの事務の遂行に協力するためであれば、本人の同意を得ることなく提供できる」と定められています。
つまり警察や検察の捜査のためなら、事業者は無断で個人情報を提供できるのです。
T会員規約に提供先として捜査当局の記載なし
T会員規約の内容は本来なら、実際の運用に合わせて都度見直され、改訂されるはずです。
正しい内容が記載されていないと、会員個々人と正しく契約を結べないからです。
ということで、現在(2019年01月21日)の T会員規約を見てみました。
しかし、規約 4条 5項 1号に記載されている個人情報の提供先の中には、警察や検察を表す名称がありません。
最新の T会員規約は 2018年10月01日 改訂版とありますが、記載漏れでしょうか。
CCC から個人情報を得たことは秘密
おそらくは警察や検察も、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)から得た個人情報を元に捜査したことを、世間には秘密にしたかったのでしょう。
CCC から個人情報を得ていたことが知れ渡ると、容疑者が Tカードも含めてポイントカードを使わなくなり、足取りを追うのに使えなくなってしまいます。
借りたビデオの履歴やコンビニやドラッグストアでよく買うものなどを、間違えても容疑者の前で口走らないように周知徹底され、秘密を守っていたようです。
T会員規約の中に、提供先として記載しなかったのは、これを秘密にするためでしょうね。
当初は令状が必要でしたが
警察や検察が CCC に個人情報を照会する場合、当初は裁判所の令状が必要だったそうです。
ところが何度も照会するうちに、令状が面倒になったのでしょう、警察や検察から要請されて、CCC は簡単な手続きで個人情報を教えるようになりました。
すると裁判所を介する必要がなくなったので、全国各地の警察や検察が安易に CCC に個人情報を照会するようになります。
照会が殺到したせいで、CCC から回答を得るのに 1ヶ月以上掛かることもあったそうです。
あとがき
刑事ドラマを見ていると、老練な刑事が犯人の足取りを追って、実際に現地を歩きます。
靴底を減らしながら聞き込みをしていると、とんでもなく時間が掛かります。
しかし、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に情報照会すると上手く行けば、手っ取り早く犯人の足取りを追えます。
多くの人はラクな方を選ぶものです。
ところで CCC は、警察や検察以外にも個人情報を提供したりしていないでしょうか?
個人情報が漏れているのは気分的に良くないので、Tカードの利用を考えてしまいます。
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