今朝(2019.03.10)の「がっちりマンデー!!」を見ていたら、収益を上げている地方の町を紹介していました。
香川県にある三豊市(みとよし)もその 1つで、燃えるゴミを燃やさないで儲けています。

通常ならただ燃やしてしまうだけの燃えるゴミですが、それを安価な固形燃料に変えて、固形燃料を必要としている企業に販売しているそうです。
燃えるゴミを燃やさない

香川県三豊市では、各家庭から出された燃えるゴミ(可燃ゴミ)を燃やしません。
他の自治体なら、燃えるゴミは燃やして処分してしまうはずです。
ところが三豊市では、燃えるゴミを有効な資源である固形燃料に変えています。
それを可能にするのが、三豊市にあるゴミ処理場「バイオマス資源化センターみとよ」です。
このゴミ処理場では、日本で初めてという「トンネルコンポスト方式」を採用しています。
トンネルコンポスト方式とは
トンネルコンポスト方式の「コンポスト」とは、堆肥(たいひ)という意味です。
堆肥を作るときのように、元の原料を積み重ねたまま放置して、分解発酵させるのです。

田舎の方に行くと、コンポスターという緑色のポリバケツのようなものを見かけます。
生ゴミを田畑の肥料に変えてくれるものなのですが、それと仕組みは同じです。
燃えるゴミを砕いて微生物を混ぜる

- まずは各家庭から燃えるゴミを集める。
- 燃えるゴミを粉砕機に入れて、細かく砕く。
- そこに、微生物が含まれている土や木くずなどを混ぜ込む。
燃えるゴミを発酵させる

- その燃えるゴミを、奥行きのある薄暗い倉庫の中へ運び入れる。
- そのまま17日間、燃えるゴミを放置する。
すると燃えるゴミの中では、次のようなことが起きます。
- 燃えるゴミに含まれている生ゴミが、微生物によって分解され発酵する。
- 発酵により熱が発生するので、燃えるゴミの温度が約70℃にまで上がる。
- すると生ゴミ以外のゴミ(紙やビニール、布など)が、パリパリに乾燥する。
燃えるゴミを固める

- その燃えるゴミを、奥行きのある薄暗い倉庫の中から運び出す。
- それを機械に入れて圧縮し、丸い棒状の塊(かたまり)にする。
結局、燃えるゴミを圧縮したものなので、形状は変わりましたが燃えます。
つまり固形燃料に変わったということです。
燃えるゴミから作った固形燃料
この燃えるゴミから作った固形燃料には、次のような特徴があります。

- 高温でよく燃えるので、石炭の代替燃料として使える。
- 価格はキログラムあたり 3円なので、石炭の価格の約4分の1 で済む。
ゴミ処理場の建設費は民間企業持ち

もし三豊市がゴミ焼却場を建てた場合、約50億円の建設費がかかるそうです。
ところがこの方式のゴミ処理場を建てた場合、約16億円の建設費で済むそうです。
つまり 3分の1 の建設費しかかかりません。
しかもこれは民間企業の事業なので、建設費は民間企業が負担することになります。
三豊市では建設費をまったく負担していないそうです。
あとがき
もともとこの「トンネルコンポスト方式」は、ヨーロッパで実施されていたものだそうです。
それを株式会社エコマスターの方が見てきて、日本に持って帰ってきました。
現在のところ「トンネルコンポスト方式」を導入しているのは、香川県の三豊市だけです。
ところがこの会社では、年間数億円の売り上げになっているそうです。
燃えるゴミをただ燃やすだけだと、お金がかかる一方です。
しかし、この「トンネルコンポスト方式」を導入すれば、燃えるゴミをお金に変えられるのです。
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