琵琶湖の西側を通る県道559号線(湖岸道路)を走って、守山市から草津市に向かっていると、湖側にポツンと 1基の風力発電の風車が見えてきます。
「くさつ夢風車」と名付けられたその設備は、ここ最近いつ見ても止まったままで、風力によって発電している様子はまったくありませんでした。

発電をしない風力発電の風車は維持費が掛かるばかりで、赤字が増える一方です。
ということで、いよいよ巨大な風車の解体工事が始まりました。
烏丸半島に立つ、くさつ夢風車
「くさつ夢風車」は滋賀県草津市(くさつし)の烏丸半島(からすまはんとう)に、ただ 1基だけ建てられた風力発電の風車です。
当初の目論見(もくろみ)では、風力で発電した電力を隣の「草津市水生植物公園みずの森」に供給して、残った電力を関西電力に売るつもりだったそうです。

ところが相手は自然の風なので、そう目論見通りにことは進みません。
結局この風力発電による発電量は、当初の予定の 3割にも届きませんでした。
最初の5年間だけ黒字?

「くさつ夢風車」が稼働して、最初の 5年間は黒字だったのに、そのあと風車の羽根が壊れて発電を停止するまでの 8年間は、ずっと赤字だったそうです。
発電量が予定の 3割弱しかないのでは、黒字額は高が知れています。
かろうじて黒字だったのが、風力量が微妙に減って赤字になったのかも知れません。

とすると最初に、烏丸半島での風力量を多めに見積もった人に問題がありそうです。
突然に風力量が 3割まで減るとは考えにくいので、たまたま風力量の多い日に琵琶湖に訪れて、それを年間平均風力量としてしまったのでしょう。
国の補助金を受けていたので

「くさつ夢風車」は、国の補助金を受けて建てたそうです。
風車を建てて最初の年から赤字では、計画の杜撰(ずさん)さを国に指摘されかねません。
それを避けるために最初の 5年間は赤字の補填をしたのでは、と考える人もいるはずです。
なぜなら、最初の 5年間はずっと黒字で、後の 8年間はずっと赤字というのは、あまりにもきれいに分かれすぎていて、作為的であるように見えてしまいます。
ただそのような事象が起こる可能性もあるので、作為であるとは断定はできませんけどね。
耐用年数を迎えるので、ようやく解体

「くさつ夢風車」は、2014年に羽根が壊れてしまい、それ以降ずっと止まったままでした。
羽根を修理して稼働させても結局赤字なので、修理をせずに放置されていたのです。
国の補助金を受けていると、たとえ羽根が壊れていても、たとえ赤字が累積していても、簡単には解体できないのでしょうか。
結局、耐用年数を迎えた今年(2019年)、ようやく風力発電の風車の解体が始まりました。
たぶん、耐用年数を迎えたので解体しました、という理由付けが出来るからでしょうね。
あとがき
再生可能エネルギーは魅力的ですが、相手は自然です。
最初の目論見が外れて発電量が少ないと、解体費用も追加で支出することになります。
あらかじめしっかりと調査してから計画を立てないと、お金が無駄になるという話でした。
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