以前ウチの母が、入院して手術すると言うので、お参りに行ったお寺があります。
それは、岐阜県揖斐郡揖斐川町(いびぐん いびがわちょう)にある横蔵寺(よこくらじ)というお寺です。
近くには、谷汲山華厳寺(たにぐみさん けごんじ)もあります。
2ヶ寺とも、秋の紅葉が美しいことで有名です。
薬師如来を探して
薬師如来(やくしにょらい)とは、簡単に言うと、病気を治す薬をくれる仏様です。
その手には、薬壺または丸薬が入った鉢を持っています。

母が入院するというので、薬師如来のお寺のお守りを渡すことにしました。
病気平癒のお守りは、いろんな寺社で買えますが、どうせなら薬を専門とする仏様のお守りが良いですよね。

インターネットで、薬師如来が本尊になっているお寺を探していると、岐阜県の西濃地方におあつらえ向きのお寺を発見しました。
横蔵寺までの道は遠く
そのお寺は、両界山横蔵寺といい、揖斐川町のさらに山奥に分け入った所にありました。
まずは杭瀬川沿いの国道417号線を北上し、揖斐川を越えて交差点「上新町」で西に左折して、国道303号線に入ります。
今度は、国道303号線の交差点「乙原」で北東に右折したら、すぐに県道40号線のトンネルをくぐって山を越えます。

丁字路で北に左折して県道267号線を走っていくと、少し坂道を登った所の右側に横蔵寺の駐車場がありました。
近くを流れる川のせせらぎが耳に心地よかったです。
両界山横蔵寺を駆け足で

横蔵寺の境内に入るだけなら無料です。
目的は薬師如来のお守りでしたので、お守りが置いてある場所を探しました。
駐車場から坂道を上って、すぐの石段を登り、橋を渡って左に曲がり、仁王門をくぐって、三重塔の横を通り、本堂にお参りしましたが、お守りはまだ見当たりません。

観音堂の前を通って川を渡ると、ようやく人気(ひとけ)があって、内部が公開されている 2つの建物、瑠璃殿と舎利殿の前にたどり着きました。
お守りが置いてあるのは、このあたりのようです。
瑠璃殿にはご本尊の薬師如来
瑠璃殿と舎利殿の 2つの建物に入るには、共通拝観料を支払う必要がありました。

入館料を支払って瑠璃殿の中に入ると、正面一番奥に薬師如来像が安置してあります。
また左右の壁際に、薬師如来を守護する十二神将の仏像が、6体ずつ並べられています。
十二神将は、十二支の干支(えと)ごとの守護も司(つかさど)っています。

ボクは午年(うまどし)なのですが、珊底羅大将(さんていらたいしょう)こと、虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)が、守護してくれることになっています。
なお、お守りは瑠璃殿の入り口付近に置いてありました。
深沙大将は沙悟浄のモデル?
瑠璃殿の入り口で、病気平癒のお守りを探していると、お守りの番をしている女性が話しかけてきました。
母が入院する予定だと話すと、薬師如来像の向かって左に立っている、深沙大将(じんじゃだいしょう)は、ご利益がすごいと教えてくれました。

深沙大将とは、西遊記の沙悟浄(さごじょう)のモデルになった、鬼神です。
砂漠での災いから人々を救うのは固(もと)より、病気を癒やし、障害を退けてくれます。
深沙大将にお参りした後は、もちろん病気平癒のお守りも買っておきました。
舎利殿には穏やかなお顔の即身仏
共通入館料があるので、隣の舎利殿もお参りしておきました。
もちろん舎利殿の入り口でも、お守りを買えます。

この舎利殿の奥には、妙心法師の即身仏(ミイラ)が安置してあります。
即身仏とは、生きたまま土中の穴に入り、飲まず食わずで息絶え、ミイラ化した仏様です。
即身仏の中には、苦しくて引きつった表情のまま、お亡くなりになった方もいますが、横蔵寺の即身仏は、穏やかなお顔をしておられます。
後日、お礼参りに

後日、元気になった母を連れて、お礼参りに行ってきました。
お守りを買って 1年余りが過ぎていたので、舎利殿で新しいお守りを買おうとしました。
ところが、お守りは何度も買い直さなくてもいいよと言われてしまいました。
横蔵寺は、他の多くのお寺と違って、あまり商売っ気がないみたいです。
そんなお寺もあるのかと、ちょっとうれしくなりました。
コメント